競売会社「サザビーズ(SOTHEBY’S)」は6月、オークションイベント「The Art of Glamour: The Collection of Alixandra Fitzwilliam-Tate Baker, Baroness of Gray」を開催する。往年の俳優、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)が着用していたアイコニックなドレスなどを出品する予定で、入札期間は6月2〜16日。6日には、ニューヨークのサザビーズギャラリーで出品アイテムの一般公開も行う。
同イベントは、オートクチュールアイテムのコレクターでもあったグレイ女男爵ことアリクサンドラ・フィッツウィリアム・テート・ベイカー(Alixandra Fitzwilliam-Tate Baker)が所有していた100点以上を出品。1950〜60年代、80年代の「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「マダム・グレ(MADAME GRES)」「シャネル(CHANEL)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などの貴重なアイテムをラインアップする。また、オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar De La Renta)やジェームズ・ガラノス(James Galanos)、レナート・バレストラ(Renato Balestra)といった名デザイナーの作品も並ぶ。
最も注目されているのが、ヘプバーンが所有していた「ジバンシィ」66-67年秋冬オートクチュール・コレクションのホットピンクのドレス。ウィリアム・クライン(William Klein)による1966年の「ヴォーグ(VOGUE)」撮影時に、ヘプバーンが似たドレスを着用し、鮮やかなピンクとシルククレープ素材の美しい仕立ては一躍有名となった。推定落札価格は4万〜6万ドル(約568万〜852万円)とされている。加えて、ヘプバーンが所有していた「ジバンシィ」のアイボリーのシルクボディスも出品されており、1400〜3000ドル(約19万〜42万円)の落札価格になると見られている。
さらに、推定落札価格9000〜1万5000ドル(約127万〜213万円)とされる「イヴ・サンローラン」74-75年秋冬オートクチュールのきらびやかな刺しゅうが施されたボールガウンドレスや、同2万4000〜3万2000ドル(約340万〜454万円)とされるイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)が手掛けた「クリスチャン・ディオール」59-60年秋冬オートクチュールのイヴニングタフタドレスも見どころになっている。
セレブリティー関連では、「トム フォード(TOM FORD)」2012-13年秋冬コレクションから、グウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)が第84回アカデミー賞で着用したものと同じ、オフホワイトのクレープ素材で作られたイヴニングドレスとケープも登場。推定落札価格は1万〜1万5000ドル(約142万〜213万円)。
サザビーズ・ニューヨークが単独の所有者によるオークションを実施するのは今回が初めて。イギリス出身のグレイ女男爵は、幼少期にオートクチュールの魅力に目覚め、美術の修士号と美術史の学士号を取得後、パリ名門のメゾン ルザージュ刺しゅう学校(Ecole Lesage)で刺しゅうを学んだ。