
「WWDJAPAN」2025年11月24日号付録「WWDBEAUTY」では、「無印良品」の化粧品カテゴリーが国内化粧品企業の売上高ランキング7位にまで躍進した理由を多角的な観点からひも解いた。長年、ビューティ業界の潮流を見届けてきた美容ジャーナリストの齋藤薫さんの寄稿を通してその盛り上がりを支える消費者心理に迫る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)

齋藤薫/美容ジャーナリスト
「安かろう悪かろう」は、リーマンショックによって終わった。安価でも良いものが一気に溢れ出し、ファストファッションの台頭とともにプチプラコスメもみるみる市民権を得て、その後の進化はコスメ界の下克上とまで言われるほど。でも、ここ数年の「無印良品」の絶好調ぶりは、これとは分けて考えなければいけない。他と一線を画す“無印コスメ”という一つのカテゴリーを作りそうな勢いなのだから。
無印コスメのデビューは1997年。当時から一定のファンはいたものの脚光を浴びるところまでは行っていない。それが四半世紀を経て、なぜ今?一つにコスメ界は今、一種のカオス状態で、高級品とプチプラとの境界線ももう曖昧、今何を選ぶべきか、基準自体が見えにくい。そんな中では“製品を見るのではなく背景を見る”。どんな企業が作ったのか?を見るべきで、悩んだ末にそこに行きつき、背景を拠り所とする消費者が増えてきたのじゃないか?
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
