
アパレル市場の縮小が続く中、物流を祖業とするジーエフホールディングス(HD)が再編の“受け皿”として存在感を高めている。SCブランドの「コーエン(COEN)」、ジーンズカジュアルチェーンの「マックハウス(MAC-HOUSE)」、神戸アパレルの名門「ジャヴァ(JAVA)」などを相次ぎ傘下に収め、物流機能を基盤にブランド運営へと踏み込む。事業構造改革が必要な企業を傘下に収める狙いは何か。“物流商社”を掲げるその先に何を描くのか。最重要キーパーソンである児玉和宏会長兼社長を直撃した。(この記事は「WWDJAPAN」2026年3月2日号に加筆・修正しています)
ジーエフホールディングス
グループ売上高:1185億円 *25年3月期のグループ各社の単純合算
国内:49拠点、海外:55拠点
主な関係会社:ジーエフ/ジーイエット(旧マックハウス/コーエン/ジャヴァ/アドエルム/テット・オム)/シティーヒルなど
出資先:クラネデザイン/オサレカンパニーなど

児玉和宏/ジーエフホールディングス会長兼社長
「コーエン」「マックハウス」
「ジャヴァ」などを相次ぎ買収
日本有数の繊維産地である岐阜で検品・物流業として創業したジーエフHDは今やグループ売上高が1185億円(2025年3月期)となり、業容は国際物流(フォワーディング)やECフルフィルメント、さらには、投資事業やアパレル・小売りまで拡大。ジャヴァコーポレーションやマックハウス、ユナイテッドアローズの「コーエン」などM&Aの台風の目としても注目を集めている。
24年11月には出資する投資ファンドを通じてマックハウスにTOB(株式公開買い付け)を実施。25年9月にはジーイエットに商号を変更するとともにグループを再編。メンズウエアのテットオム、同年10月に繊維系ベンチャーのアドエルム・テクノロジー(AddElm TECHNOLOGY)、11月に百貨店系婦人服のジャヴァコーポレーション、郊外SC系シニア向け婦人服のgf.Sを子会社として集約。さらに、ユナイテッドアローズ傘下の低価格カジュアル業態「コーエン」の買収を発表した。同時に、アパレルとウェルネス分野で戦略的M&Aを加速させるとともに、成長戦略として、ビットコインなど「暗号資産トレジャリー」への投資やデータマイニング(暗号資産の採掘)、AIソリューションなどへの事業領域拡大を打ち出し、周囲を驚かせた。
ただし、野放図に企業を買収しまくる錬金術師というわけではない。そこには取引先や業界の課題解決や、物流商社としてのグループシナジーを生かす深謀遠慮、そして、今年60歳になる児玉和宏社長の人脈や人柄から広がる独自のエコシステムがある。
現在の形態に至る岐路は何だったのか?「第1の転機は、1995年の東京進出だ。バブル崩壊後、名古屋・岐阜のアパレルが相次いで倒産し、物流センターに入っていた取引先の商品も差し押さえられた。資金は回収できず、在庫が滞留してスペースを取られて苦悩した。そこで、東京に出ていくことを決意した。振り返ればこれが大きな転機だったと思う」。そこから関東に倉庫や取引先が広がり取扱高も増えた。
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