「WWDJAPAN」では、多様化するファッション&ビューティ企業の課題解決やビジネススケールのためのヒントを、セミナーでも発信している。マーケターの第一人者であり、「WWDJAPAN EDUCATIONS」BXパートナーを務める藤原義昭300Bridge 代表が、9月17日に開催された「WWDJAPAN」のセミナー「リアルとデジタルが交わる次世代の小売業を再構築」のセッションから得た示唆を共有する。
視聴期限:2026年9月11日(金)23:59 まで
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リテールの未来:
リアルとデジタルが交わる世界
世界がフラット化していく中で、情報は誰でも手に入るようになった。情報アクセスは能動的に取りにいかない限り、今ではGAFAMのフィルターで、かなり世界は狭くなっているように感じる。事実世界中のデジタルネイティブたちはラブブなどに代表されるように、好きなものが同じになっているようにも感じる。どこでもいつでも買えるもの、どんな時でも体験できることには、ほぼ価値がなくなってきている。
今回は振り幅の大きな3社が登壇した。GENEROSITYは、XRやAIを駆使しながらリアルイベントにバーチャルストアを重ね合わせる取り組みなど、デジタルを「代替」ではなく「拡張」として位置づけている点が印象的。
大丸松坂屋は、老舗百貨店の枠を超え、インフルエンサー事業やメタバース事業を展開。店舗の固定観念を超えて、文化を発信するという役割をアップデートしている。
そしてシロは、「リアルを軸」にブランドの世界観をどう伝えるかを追求。「みんなの工場」限定商品を購入した顧客のLTVが高いのは、濃い体験をいかに作るかに尽きるということだ。
共通のキーワードは「非日常性」。リアル空間だからこそ生まれる熱狂や共感を、デジタルが補完する。その掛け算こそが次世代のリテールに求められている。改めて主語はリアルでありデジタルは手段であるという点においては、現時点ではまだデジタルが主語になり得ない。しかし今までの延長線上で考えるのではなくコスト面、スピード面でも「非日常」を作りやすいのはデジタルなので小さなテストはどんどんするべきであると考えている。
リアルとデジタルを交差させ、唯一無二の体験価値を設計するかという視点を持つこと。ここでしか、今しか味わえない体験の創造が、ブランドの未来を切り拓く鍵になると強く感じた。
