
ゴールドウインは、富山本店の研究開発施設ゴールドウイン テック・ラボで、衣服内に送り込む空気の量の調整で保温性を可変できる新テクノロジーを開発した。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」に次ぐ柱へと育成を進めている自社オリジナル「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の製品に搭載し、仏シャモニーを中心に8月25日から開催される世界最高峰のトレイルランニングレース「UTMB(ウルトラトレイル デュ モンブラン)」で併催されるアウトドアメーカーの合同展でお披露目する。
保温性を調整できるため、「頻繁な着替えを必要とせず、さまざまな気候や状況に柔軟にフィットすることが可能」「一日の中で寒暖差が大きい登山やトレイルランニングといったアクティビティーにおいて、さまざまなシーンに対応できる。気温変化の激しい都市生活でも効果を発揮する」「衣服内に羽毛や化繊の中綿を使用しないことは、製造工程における材料削減など環境ふか軽減にも寄与する」(発表リリースから)。ゴールドウインは、同テクノロジーで現在特許出願中。
試作を繰り返した期間は約2年。開発のヒントにしたのは、住宅に使用される断熱性の高い三重窓という。3枚のガラスで空気層を重ねて断熱性を高めるように、積層構造で空気を取り込み、保温性を向上させる仕組み。幾何学的に間隔を空けた接着パターンで空気層を重ねられるようにし、「薄手から厚手まで、保温性の異なる複数枚の衣服を、1枚で代用可能にした」。今回お披露目するプロトタイプはハーフジップのプルオーバー型。前身頃は積層3層構造、後ろ身頃や袖上面は積層2層構造、脇パネルや袖下面は1枚仕様となっている。
「ゴールドウイン」として、「UTMB」の合同展への出展は初めて。パフォーマンス製品への感度が高い有力選手やエリートランナーらが集まる場で発表することで、グローバルでブランド認知拡大につなげる。