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ナイキ、女子初の1マイル走4分切り計画“ブレーキング4”向け製品を発表 3Dプリントのスポブラ等

ナイキは、ケニア出身の陸上中距離選手フェイス・キピエゴン(Faith Kipyegon)と組み、6月26日に仏パリで開催する女子初の1マイル(約1.6キロメートル)走4分切りを目指すプロジェクト“ブレーキング4(Breaking4)”において、キピエゴン選手が着用するスピードキットを発表した。イノベーター、ナイキスポーツ研究所の科学者、デザイナーらによる「ドリームチーム」(発表リリース)が開発に携わり、キピエゴン選手の4分切り達成を支える。

スピードキットは、「前例のないスピードスーツ、革命的な3Dプリントの機能的素材を使用したスポーツブラ、革新的な機能を最大限に高めた軽量スパイク」で構成する。スポーツブラの“ナイキ フライウェブ ブラ”はTPU素材を3Dプリントすることで作成。「典型的なスポーツブラにある欠点」だという、汗を吸ってしまう点や、熱源となってしまう点に挑戦した。「この3Dプリント素材のイノベーションは、視覚的にも感覚的にも全く新しいものになっている。軽く、柔らかく、驚くほどサポート力があり、同時に何も着ていないような感覚もある」と、ナイキのイノベーション担当のバイスプレジデント(VP)、ジャネット・ニコルはコメントしている。

スピードスーツの“ナイキ フライ スーツ”は、「身体全体にフィットする1枚構造で、スリムで伸縮性のある素材を生かし、空気の中を最大限効率的に通り抜けられるように設計されている」。空気抵抗を軽減するためのイノベーションとして、サイズの異なる半球形を生地の必要箇所に取り付け、「キピエゴン選手の前方で空気を振り分け、後方にできる空気の渦を小さくする」(リリースから)“ナイキ エアロノード”を採用した。

「新たなアパレルの可能性」に言及

スパイクの“ナイキ ヴィクトリー エリート FK”は、2016年のリオ、21年の東京、24年のパリと、キピエゴンが女子1500メートルで五輪3連覇を果たした際や、23年に女子1マイル走の世界記録(4分7秒64)を出した際に着用していた“ナイキ ヴィクトリー 2”がベース。キピエゴン選手がこれまでに着用したどのスパイクより大幅に軽量化されているという。

ナイキはこれらのR&D成果を、ゆくゆくは一般消費者向けの製品にも落とし込む。特に、ブラに採用した3Dプリントの“ナイキ フライウェブ”については、「フットウエア業界やナイキにとって、3Dプリントは目新しいものではないが、アスリート向け高性能スポーツウエアに採用することは今回が初めて」と、ニコルVP。「この新素材が実現したことで、新たなアパレルの可能性が明らかになる」(リリースから)と、期待は高い。「ルルレモン(LULULEMON)」などに客を奪われていると指摘される、弱みのウィメンズカテゴリー強化につなげる狙い。

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