ナイキは2025年、読売巨人軍(以下、ジャイアンツ)と協同し、「スポーツを通じて子どもたち、特に女の子を助成する」(発表資料から)プログラムとして、「KARADAKARA(カラダカラ)」をスタートする。3月28日に東京ドームで行われたジャイアンツの開幕戦(対ヤクルト)で、プログラムを発表。同プログラムの「ロールモデル」を務める、ジャイアンツ所属の田中美羽選手、タレントのイモトアヤコさん、「エテ」のオーナーシェフの庄司夏子さんが、開幕戦前のファーストピッチに登場した。
「KARADAKARA」は、体を動かすことを通じて、子どもたちの成長をサポートする活動を行っている団体に対する助成プログラム。「女の子をはじめ、すべての子どもたちがスポーツの喜びを知り、心身共に健やかに育つための機会や環境作りを応援する」ことを目的とする。背景には、男子児童に比べ女子児童の運動時間が少ないといった問題意識がある。3月28日から助成への応募をウェブ上で開始しており、締め切りは5月17日17時。
助成対象とするのは、東京都に主な事務所を置く、2年以上の活動実績のある民間非営利団体の活動。未就学児や保護者、小中高生などに運動機会を提供するプロジェクトのほか、スポーツハラスメント防止のための指導者向けプログラムも対象とする。審査のうえ、1件につき50万〜250万円の助成を実施する。応募基準などの詳細はウェブ上で公表している。助成に関する実務は日本NPOセンターが協力している。
ファーストピッチに登場した3人は、囲み取材にも対応。田中選手は「小さなころから野球を通して、できないことができるようになる喜びを体験し、できないことにもチャレンジしようという気持ちが湧いたし、仲間とプレーすることのすばらしさを知った。中学、高校に入学すると女子だけで野球をする環境がなくなったが、それでも野球が好きで続けてきた。今回のプロジェクトを通して、私にとっての野球のようなスポーツに、女の子をはじめみんなが出合える環境作りをしていきたい」とコメント。
陸上部やハンドボール部を経験したというイモトさんは、「仕事では過酷なこともあるが、小中高と厳しい運動部できたえられてきたから、自分を鼓舞できる。一口に運動といってもいろいろある。自分は運動が苦手と思い込まず、まずやってみてほしい」、テニス部出身という庄司さんは、「部活は目上の人と接する最初の機会。社会に出ると、目上の人と折衝していく機会は多い。大人になってから大切なことを、子どものころにスポーツの場で学ぶことができる」とコメントした。
同プロジェクトの「ロールモデル」は3人のほか、ブレイクダンサーでパリ五輪金メダリストのAMI(湯浅亜実)さんも務める。AMIさんは海外遠征のため欠席だった。ナイキはジャイアンツのオフィシャルパートナーであり、開幕戦はナイキの冠試合「NIKE DAY 2025」として開催した。