PROFILE: 難波斉/高島屋 常務取締役 大阪店長

高島屋大阪店は、7路線が交わる難波駅(なんば駅)のターミナル百貨店である。昭和初期に南海電鉄が建てた壮麗な駅ビルの核テナントとして営業する。高島屋は日本橋店、新宿店、横浜店、京都店、大阪店と売上高1000億円以上が5店舗あるが、近年はインバウンド(訪日客)の増加が追い風になってグループ一番店の座に着く。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月21日号からの抜粋です)
高島屋大阪店
STORE DATA
開業年:1932年 店舗面積:6.6万㎡ 総額売上高:1809億円(25年2月期)
概要:大阪・ミナミの玄関口である南海・なんば駅のターミナルビルに入る。近年は関西国際空港からのアクセスの良さと観光地としてのミナミの人気もあって、訪日客が急増し、高島屋の一番店になった
全方位型の百貨店らしい店
3世代が集まるコンテンツ作る
24年度(25年2月期)売上高に占める免税売上高の比率は29%。南海電鉄・なんば駅は関西国際空港とつながる大阪の玄関口であり、また大阪らしい風情があるミナミ(難波、心斎橋)は観光地としても人気が高い。
3月に着任した難波斉氏は「(コロナ前の)19年度と24年度を比べると、店舗のポートフォリオが様変わりしている」と話す。特選および時計・宝飾を合計した売上高が5割を占めるようになった。過去5年度でこのカテゴリーの売上高は、国内客で2倍、訪日客で6倍に跳ね上がったことになる。訪日客と国内富裕層の需要に合わせて増床を重ね、同店にとっての最大の武器になっている。
ただ難波氏は「高額品に偏りすぎ、ポートフォリオはアンバランス」とも認識している。実際、春以降の免税売上高の急減速で全館売上高もマイナスに転じた。「国内外の超富裕層に照準を定める百貨店もあるが、当店は違う。ターミナルの立地で中間層の支持をもっと広げるのが本来の姿だ」と語る。
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