百貨店はその総合力を武器に、独自の価値創出に向けた取り組みを深化させている。サブスクリプションから循環型経済、心を動かす接客体験、デジタル強化に至るまで、多様なアプローチで消費者と新たな関係を築き始めている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月21日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
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大丸松坂屋百貨店
5年目の「服のサブスク」
シェアリング社会への布石
大丸松坂屋百貨店のファッションサブスクサービス「アナザーアドレス(ANOTHER ADDRESS)」は2021年3月に事業を開始し、今年で5年目に入った。登録会員数は34万人を数え、取り扱いブランドは440、これまでに貸し出した服の累計は約41万着に達する(5月末時点)。
なぜ百貨店がサブスクをやるのか。事業開始以来、そんな質問をたびたび受けてきた田端竜也・アナザーアドレス事業責任者は「百貨店が丸ごとクローゼットになったような感覚のサービスで、お客さまに新しいファッション体験を提供できる。未知のブランドや百貨店との接点の意味でもシナジーは大きい」と答えてきた。だが同時に、事業開始5年目を振り返り「服のサブスクが当初の計画ほど一般に浸透していない。サービスを改善し、利点をもっと広める必要がある」と問題意識を持つ。
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