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主戦場のカスタマーセンターに投資した「グッチ」を考える ITのプロ「WWDジャパン」最新号につぶやく

 大手通信会社に入社後、国内外でITソリューションを提供するビジネスマンが、今週のファッション週刊紙「WWDファッション」で気になったニュースを要約してお届け。最先端のテクノロジーから企業と、その利用者が必要とするものについて考え続けたITのプロ、CKRが未来的視点からニュースにつぶやきを添えます。

今日のニュース:P.6「『グッチ』カスタマセンターの全貌」

読み解きポイント:会社の顔のカスタマーセンターをビジネスの表舞台に

ニュースのポイント

 「グッチ(GUCCI)」は、北米向けの新たなカスタマーサービスセンター「グッチ9 ハドソン」を設立した。「美しいものに囲まれると、人は自然と笑顔になる」との考えでデザインした内装は、ショールームのよう。オペレーターが笑顔で電話応対することで、顧客満足を最大化することを期待しての空間だ。棚には新製品やベストセラーが店舗のように陳列され、商品に触れながら、わかりやすい説明をすることも推奨されている。また、EC上の顧客の動きをリアルタイムにモニタリングする技術や、音声をテキストに変換する技術なども、積極的に採用している。

CKRはこう読む!

 「人の力を最大限に引き出すカスタマーセンター」をアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)がデザイン!新時代の幕開けです。ビジネスデザイナーとしてのセンスにも驚きです。

 カスタマーサービスは今後、あらゆる業界で、戦略的な投資領域となるのではないでしょうか?その理由は2つあります。

 1つは、「ビジネスをドライブする要」だからです。「モノからサービス売りへ」「サービス価値は、ライフタイムバリューの最大化で決まる」がトレンドの一つです。例えば、毎月課金するサブスクリプション成功のカギは何でしょう?「サービスを進化させ続け、より長くサービスを使ってもらうこと」です。顧客接点を積極的に作り、サービス改善の中心にいるのが、「カスタマーセンター」です。今後は、カスタマーサービスの特徴こそが、サービス価値を決めるのではないでしょうか。

 もう1つは、「テクノロジーによってアップデートできる領域が多い」からです。AIやロボット技術の進展により、人がやるべきことと、テクノロジーに任せることの判断を迫られる場面が増えています。マニュアルやデータ、人の知見やコミュニケーションの集積で作りあげられたカスタマーセンターは、まさに主戦場。快適な空間と最新技術を融合した「グッチ9 ハドソン」は今後、他業界からの研究対象になるかもしれません。

 ミケーレのように人間中心に設計されたカスタマーセンターには、人がワクワクする仕掛けが、ふんだんに取り入れられています。その魅力に取り憑かれる人も多いはずです。カスタマーセンターのオペレーター向けに、表現力向上を目的としたボイストレーニングも実施しており、まるで声優やナレーターを育成しているようにも感じます。カスタマーセンターは、縁の下の力持ちというより、ビジネスの表舞台そのものと言えるのではないでしょうか?

CKR Kondo : 大手通信会社に入社後、暗号技術/ICカードを活用した認証決済システムの開発に従事。その後、欧州/中東外資系企業向けITソリューションの提供、シンガポール外資系企業での事業開発を経験。企業とその先の利用者が必要とするもの、快適になるものを見極める経験を積み、ウェアラブルデバイスやFree WiFiを活用したサービスインキュベーションを推進。現在は、米国、欧州、アジア太平洋地域にまたがる、新たなサイバーセキュリティサービスの開発を推進中

最新号紹介

WWD JAPAN

2020年春夏、コロナ禍でも売れたものは何だった? 富裕層の高額品消費意欲は衰えず

「WWDジャパン」9月21日号は、「2020年春夏、有力店で売れたもの」特集です。WWDで毎シーズン恒例となっている有力店の商況調査ですが、コロナ禍に見舞われた今春夏は、多くの商業施設が営業を再開した6~7月の期間で消費動向や好調なブランドを調査しました。化粧品、特選、婦人服、紳士服などの9つのカテゴリー別に各店のデータをまとめています。コロナで大苦戦という声が大半を占めると思いきや、こと特選カテ…

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