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花王の“第二の皮膚形成技術”の第1弾は、「エスト」「センサイ」のスキンケアに応用 パナソニックも協力

 花王は、昨年11月に発表した“第二の皮膚を形成する”というファインファイバー技術(積層型極薄膜形成技術)を具現化した高性能小型ディフューザーを開発した。化粧液を入れた機器(ディフューザー)を肌に吹き付けるというもので、応用第1弾として、12月4日に花王の「エスト(EST)」および、カネボウ化粧品の「センサイ(SENSAI)」のスキンケアアイテムとして製品化し、新たなナイトケアを提案する。

 ファインファイバー技術とは、化粧品用のポリマー溶液を専用の機器で肌に噴射することで、肌表面に極細繊維で積層型の極薄膜を形成する技術。これにより、体のさまざまな部位の三次元形状や面積に合わせた膜を肌表面に自在に形成できるようになる。同技術には5つの特徴があり、1、肌と膜との段差が少ないためはがれにくい。2、肌に自然になじむため皮膚の凹凸が見えにくい。3、体の三次元形状に対応し、皮膚の動きにも追従する。4、高い毛管力により併用する製剤を速やかに広げて保持する。5、繊維集合体のため通気性が高いことが挙がる。

 「エスト」と「センサイ」から登場するファインファイバー技術応用第1弾製品は、2ステップの「バイオミメシスヴェール」。夜のスキンケアの最後に、まず美容液「ヴェールエフェクター」(1万2000円)をなじませ、次に化粧液「ヴェールポーション」(8000円)を導入した高性能小型機器「ヴェールディフューザー」(5万円)を肌に吹き付ける。そうすると肌上に形成された極薄ベールが肌になじんで透明になり、自分の肌のように一体化する。そのまま就寝し、翌朝そのべールをはがすというもの。それにより肌表面の水分環境を適度な状態に整え、肌自身の力で肌の状態を良好にする“湿潤環境ケア”ができる上、一晩中スキンケアをしている状態のため、翌朝の肌が見違えるように変化する。なお、高性能小型機器はパナソニックアプライアンスが製造した化粧品用ディフューザーを採用しており、開発には約4年を要した。

 具体的な展開について村上由泰・花王執行役員化粧品分野担当兼カネボウ化粧品社長は、「お客さまの生活や新たな未来を切り開くサポートをしていきたいという思いを込め、全く新しい異次元の肌を“フューチャースキン”と名付ける。『エスト』はこだわってきた皮膚科学や肌の力を引き出すというコンセプトを持ち、『センサイ』は“日本の感性や皮膚科学を融合”というコンセプトを持つ。今回の技術と非常に親和性がある」と述べる。「エスト」では、12月から銀座の直営店と主要百貨店6店舗で販売を開始し、その後は国内約100店舗に広げていく。また1月に中国越境ECで販売スタートするなど国内やアジアを中心に展開する。「センサイ」は12月から国内主要百貨店3店舗で販売し、20年2月にパリのル・ボン・マルシェやロンドンのハロッズをはじめとする欧州で順次展開予定。この先は、まだ展開していない北米エリアも狙っていくという。

 さらに、「この技術は触ってもらうことがなにより大事」(村上社長)と、銀座にある「SOFINA ビューティパワーステーション」をリニューアルし、「BEAUTY BASE by Kao」として花王の最新ビューティ情報を国内外に発信する中核拠点として位置付ける。ここでは、お手入れレッスンに加え花王の最新技術を体験できる場にしていく。その第1弾として、1年間はファインファイバーの技術を多くの人に体験できる場として提供する。

 同技術の応用について澤田道隆・花王社長は、「高い肌への効果が確認できたとして、まずはスキンケアから応用していく。他にも、メイクアップやボディーケア、アートの領域でも事業化を予定しており、最終的には、治療や医療の方向を目指していく。同技術はさまざまな可能性を秘めているため、エビデンスをオープンにする専用サイトも開設した。サイト内では技術をこんなことにも使えるのではないかなどあらゆる視点での意見交換も可能とし、お客さまと共に成長させていきたい」と語った。

ファインファイバー技術の実証映像

ファインファイバー技術の毛管力映像