ファッション

なぜ次々と誕生? Vインフルエンサーの仕掛け人に直撃

 インスタグラムなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、CGとリアルを組み合わせ、まるで本物の人間のように見えるバーチャルインフルエンサー(以下、Vインフルエンサー)が日本で続々と誕生している。彼女/彼らはいったい何者なのか。日本初のメンズインフルエンサーのリアム・ニクロ(Liam Nikuro)をデビューさせた仕掛け人の1人である宮地洋州ワンセック(1sec)代表取締役CEOに聞いた。

 宮地CEOは、D2C(Direct to Consumer、顧客直結型)ブランド「エイミー・イストワール(EIMY ISTOIRE)」や動画制作などを手掛ける3ミニッツなどを起業したシリアルアントレプレナーで、3ミニッツをゲーム大手のグリーに売却後、その資金をもとに今年3月にワンセックを起業した。ワンセックは共同創業者として音楽業界のベテランプロデューサーであるジョン・ポスマン(John Possman)氏を迎えており、リアム・ニクロは3月27日にインスタグラムのアカウントを開設後、日米で同時デビューを果たしている。

WWDジャパン(以下、WWD):なぜ男性を?

宮地洋州ワンセックCEO(以下、宮地):世界的に見ても、女性のVインフルエンサーは多数存在しているが、男性はほとんど存在していなかったので。

WWD:今年3月末に開設したリアム・ニクロのインスタグラムのフォロワー数は現在、約1万2800。フォロワー数の推移は計画通り?

宮地:5カ月でフォロワー数1万2000。当初は月1000人増くらいのペースを考えていたので、想定以上です。

WWD:リアム・ニクロの今後の活動は?

宮地:ファッション分野だけでなく、音楽やエンターテインメント分野での活動も計画していて、水面下ではいくつかのプロジェクトを準備中です。

WWD:なぜVインフルエンサー事業を?

宮地:3ミニッツを売却後、次のビジネスを模索するために米国にしばらく住んでいたのですが、米国では160万フォロワーを持つリル・ミケーラ(Lil Miquela)が圧倒的な成功を収めており、日本でもデジタル上の架空の芸能人への需要が必ずあると考えました。

WWD:新キャラクターの予定は?

宮地:近々いろんなジャンルで、複数のバーチャルヒューマンを順次発表していく予定です。

WWD:9月4日に1億円の資金調達を発表した。現在の資本構成は?

宮地:資本構成は非公開です。某IT系の上場企業と米国にも拠点があるベンチャーキャピタルから出資を受けています。

WWD:Vインフルエンサーの今後をどう見る?

宮地:バーチャル市場は拡大する一方なので、ファッション分野に強いVインフルエンサーを筆頭に“バーチャルヒューマン市場”もこれからどんどん拡大すると確信しています。それに伴って、バーチャルヒューマンが既存の人間のインフルエンサーに取って代わるような事態も発生すると考えています。そもそもバーチャルヒューマンはAI(人工知能)と非常に相性がいい。リアルとバーチャルの区分はどんどん曖昧になると思います。

WWD:Vインフルエンサーのプロデュースでカギになるのは?

宮地:CGを作るための「MAYA」というソフトウエアやAIプログラミングのPythonといった技術は必須ではありますが、技術だけあってもファッションやエンターテインメントの分野自体を理解していないと、キャラクターを育てることは難しい。いまのデジタルネイティブ世代はウソにはすごく敏感で、途中からVインフルエンサーのキャラクターの路線変更があるとシラケて途端に支持を失ってしまう。どのジャンル・分野でキャラクターを育成・運用するのか。最初のコンセプトメーキングと戦略が成功の大きな分岐点になるでしょう。

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