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次世代SNS「RED(小紅書)」にラグジュアリーブランドが続々と参加 中国インフルエンサービジネス最新事情

 中国版インスタグラムとしてユーザーが急増するSNS型ECアプリ「RED(小紅書)」のインフルエンサービジネスに注目が集まっている。

 REDはインスタグラムのように写真や動画、日記など自分のライフスタイルを他者と共有できるソーシャルのプラットフォームと、投稿内で紹介されている商品をアプリ内で購入できるマーケット機能を併せ持つ中国発のアプリだ。ファッションや美容、旅行などを楽しむ中国の若い女性たちからの圧倒的な支持があり、その人気はウェイボー(微博、Weibo)やウィーチャット(微信、WeChat)という従来のSNSをしのぐ勢いだ。

 リタ・ウォン(Rita Wang)は350万のフォロワー数を誇るREDのトップインフルエンサーだ。ロンドンのセント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)でファッションの修士課程を修了し、「LVMHプライズ」のファイナリスト、ステファン・クック(Stefan Cooke)や「8ON8」のレオ・ゴン(Leo Gong)とは同級生である。彼女はREDでの成功はフォロワーとの嘘偽りのない関係によるものだとし、「日常の生活やその日の気分、自分のことを何でもポストすることで、フォロワーはリアルな私を受け止めてくれる」と語った。

 彼女はREDのほかにウェイボーやインスタグラム、動画配信サイトの「ビリビリ(哔哩哔哩、Bilibili)」などでも発信しているが、彼女のコンテンツは、ファッションを愛し国際的な視野を持つREDのユーザーである女性たちから支持され、最も親和性が高い。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は今年の5月にラグジュアリーブランドとして初めて「RED」に参加し、バッグのプロモーションで彼女をインフルエンサーとして起用した。それに続くように「ディオール(DIOR)」「コーチ(COACH)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「MCM」「フェンディ(FENDI)」「ロエベ(LOEWE)」が「RED」の公式アカウントを開設した。

 多くのユーザーを獲得し影響力を増す一方で、REDにおけるインフルエンサービジネスにはいくつかの課題が残る。

 そのひとつは中国外でのREDの認知度だ。「プラダ(PRADA)」「フェンディ」「ロエベ」「クロエ(CHLOE)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「シャネル(CHANEL)」などをクライアントに持つあるPRマネジャーは「ブランドの中国担当者が宣伝のためにREDのインフルエンサーをイベントに招待しようと躍起になっているが、本国はその人気や存在自体を把握していないのが現状だ」とコメントする。

 さらに、REDは不正な広告やコンテンツを排除するためのフィルタリングを導入していることがブランドのプロモーションの障壁となっている。ユーザーが広告コンテンツを投稿するには、運営サイドの許可を得ることが義務づけられており、インフルエンサーが投稿をちゅうちょする傾向にある。中国インフルエンサーマーケティングのプラットフォーム、パークル(PARKLU)のセールスマーケティング責任者であるイライジャ・ホエイリー(Elijah Whaley)は「REDのユーザーは過度にコマーシャルな投稿を好まない傾向があるため、ラグジュアリーブランドはプロモーションを成功させるためにブランドのイメージやアイデンティティーを柔軟に変えていく必要があるだろう」と語った。