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オンワードのD2Cブランド「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」が出店加速、都心ビル上層部などに販売員が常駐しないショールーム

 オンワードグループ(以下、オンワード)のマスカスタマイズに特化したD2Cブランド「カシヤマ・ザ・スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」が出店を加速する。まずは6月1日、銀座と秋葉原にショールームと位置付ける小規模店舗をオープン。駅近でトラフィックの多い場所ながら、比較的賃料の安いビル上層部などに“自宅でも店舗でもない”採寸のためのスペースを構え、予約制のショールームとして活用する。販売員は常駐しない。訪問販売も含めて複数のフィッターが地域ごとに接客を担当する形で、予約に合わせて店舗を移動する。

 加えて、芝浦と仙台、名古屋、広島のオンワードが持つオフィスビル内にもショールームを開設する。今後も旗艦店だけでなく首都圏近郊にショールームを設ける予定で、昨年「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」路面店に生まれ変わったオーダーメードスーツブランド「セビロアンドコー(SEBIRO & CO.,)」の全13店舗もあわせて、今年度中に約30拠点を目指す。

 「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」を統括するオンワードパーソナルスタイルの関口猛・社長は出店について、「ローンチ後、目標数値に対してかなり好調な推移をしている。採寸後1週間で納品されるというスピード感がメリットとなり、3月末〜4月にかけては顧客の過半数が入学前の学生や新卒の社会人など若い客層の取り込みにも成功した。一方で、フィッターのキャパシティーがあるために予約ができない事態も発生しており、事業拡大のためにも出店と採用を拡大したいと考えた。自宅採寸はハードルが高いが、利便性だけを考えれば一等地に路面店を構える必要はない。多店舗化を目指すのではなく、店舗の新しいあり方を考えた結果だ」と語る。出店にあわせて、フィッターの雇用や教育システムの構築も目指すという。

 生産体制の強化も急ピッチで進める。来春には同ブランドに特化した生産ラインを持つ中国・大連の自社工場を増築することで、さらなるニーズに対応できる仕組みを作る。また、現在大阪の旗艦店で試験的に導入しているウィメンズのビジネスウエアを8月頃に本格スタートする他、シャツやカジュアルライン、機能性素材といったアイテムの拡充も予定する。圧縮パックのさらなる改良や縮小化も検討中だ。

 ここ1年で急速に拡大するマスカスタマイズ市場について関口社長は、「スーツのオーダーは市場全体の25%程度といわれるが、今後、50%程度にまで伸びるのではないだろうか。一般化した最大の理由は製品化のスピードにある。今後アパレルに限らず、マスカスタマイズの納期というのは非常に重要な指標となるはずだ」と言う。