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オンワードHDが前期・今期で約1400店舗を閉鎖 コロナ危機でデジタルシフトを加速

 オンワードホールディングス(HD)は21年2月期に国内外で約700店舗を閉店する。13日に行われた決算会見で、保元道宣社長が明らかにした。リアル店舗は主力の百貨店販路の低迷に加え、足元では新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な流行)に直面している。これを受け、デジタルシフトをさらに加速させる。同社は20年2月期にも国内外で約700店舗を閉めた。これにより、前回の構造改革の発表(19年10月)以前に約3000あった店舗数はほぼ半減することになる。

 中核会社のオンワード樫山は、20年2月期に百貨店販路の売り場面積を約2割削減した。同期末時点で売上高の約62%が百貨店販路だが、EC拡大によって相対的に「(割合は)半分以下に縮んでいくだろう」。今後は地方店とともに、大都市の売り場も対象になる。同社の百貨店の売り場は現状、ブランドごとに独立しているが、今後は複数のブランドを集約した大型の売り場を増やし、ECと連携したオムニチャネルに舵を切る。既存の売り場の削減の分、カスタマイズ、ライフスタイルといった成長分野への人材の配置転換を行う。

 新型コロナの影響により、オンワード樫山は3月の店舗の売り上げが前年同期比3割減と深刻なダメージを受ける一方、EC売り上げは同45%増と伸びている。保元社長は「リアル店舗の売り上げは長期低迷する。それをカバーするため、デジタルシフトを3倍速で進めていく必要がある」と強調する。2020年2月期のオンワードHDのEC売上高は前期比30.6%増の333億円。21年2月期に500億円、中期的には1000億円を掲げ、「売上高の半分以上をECで稼ぐ、企画・生産機能を持った“EC企業”というくらいの思いでデジタルトランスフォーメーションを強力に進める」。

 具体策としては、「EC専用商品の積極的な開発」と「新規顧客の開拓」を本格化する。同社の会員顧客「オンワードメンバーズ」は約300万人を有するが、「まだECで買い物したことないという方もたくさんいる。店舗とECの両方で買い物をするオムニチャネル会員を増やしていきたい」。

 そのほかに成長戦略の柱とするカスタマイズ、ライフスタイルの分野にも注力する。オーダースーツの「カシヤマ・ザ スマートテーラー(KASHIYAMA THE SMART TAILOR)」は現在のメンズ・ウィメンズのスーツ、シャツ、婦人靴に加えて今後はバッグなどにも裾野を広げる。新型コロナ終息以後には、期中の積極出店を計画。「損益分岐点である売上高100億円を早期に達成する」。ライフスタイル分野では、19年3月に買収したギフト雑貨の大和が、グループの20年2月期の増収に寄与した。今後は海外市場への展開も視野に、「生産基盤の強化とM&Aを積極的に進めていきたい」とする。

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