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トッズが脱ファションブランドを推進 上半期の減収減益を受けて

 トッズ・グループ(TOD’S GROUP)の2017年1〜6月期決算は、売上高が前年同期比2.9%減の4億8300万ユーロ(約628億円)、純利益は同7.2%減の3470万ユーロ(約45億1000万円)だった。

 売上高をブランド別に見ると、「トッズ」と「ホーガン(HOGAN)」がそれぞれ同6.1%減の2億6500万ユーロ(約344億5000万円)と同6.9%減の9870万ユーロ(約128億3000万円)。一方で「ロジェ ヴィヴィエ(ROGER VIVIER)」は同11%増の9260万ユーロ(約120億4000万円)だった。

 地域別に見ても軒並み前年割れしており、米国および南アメリカ地域は16.9%減で最も悪かった。来店客数が少ないことと大手百貨店が苦戦していることを2ケタ減の要因として挙げている。一方、中国および周辺諸国地域は同1.4%増だった。また、日本も好調だったという。

 製品別ではアパレルが唯一好調で、売上高が同2.8%増の2800万ユーロ(約36億4000万円)。「フェイ(FAY)」がアパレルの売り上げを引き上げた。一方で、全体の約80%を占める主要事業のフットウエアは同3.5%減の3億8600万ユーロ(約501億8000万円)だった。フットウエア事業に新規参入してきた他ブランドや、スニーカーブランドにシェアを奪われたことが減収の要因だと説明している。

 「『トッズ』はファッションではなく、品質とイタリアのライフスタイルを提供している。ファッション業界には多くのプレーヤーがおり、われわれはその競争に加わるつもりはない」とエミリオ・マチェラリ(Emilio Macellari)最高財務責任者。「アレッサンドラ・ファッキネッティ(Alessandra Facchinetti)を起用してファッションブランドとしてやっていこうと思った時もあったが、顧客は『トッズ』にファッションを求めていないということがよく分かった。四半期の結果よりも中期的な視点で判断していきたい」と話した。

 「トッズ」は12年までの6年間、デレク・ラム(Derek Lam)がクリエイティブ・ディレクターを務め、その後16年5月までファッキネッティが後任を務めていた。現在はアンドレア・インコントリ(Andrea Incontri)がメンズのクリエイティブ・ディレクターを務めている。

 春夏商品は、よりアイコニックでより複雑でないデザインにフォーカスし、これにより価格が抑えられ、2週間で完売するアイテムもあったという。

 また、ディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼最高経営責任者も「計画を早く実施しなければいけないが、上半期の結果は予想通りで、正しい道を進んでいることが証明された。最大のゴールは最高のクラフツマンシップで商品を作り、イタリアのライフスタイルを世界に提供することだ」と語った。

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