
「天才バカボン」のパパの決めゼリフは「これでいいのだ!」ですが、「無印良品」のビジョンの一つは「これでいい」です。
なぜ「これでいい」なのか。一見「これがいい」の方がポジティブな感じがします。しかし無印は「これがいい」という強い嗜好性ではなく、「これでいい」という抑制のある満足感に軸足を置きます。高度大衆消費社会のアンチテーゼとして誕生した無印らしい謙虚さかもしれません。同社は公式サイトの中で「『で』にもレベルがあります」として下記のように説明します。
「『で』の中には、あきらめや小さな不満足が含まれるかもしれません。従って『で』のレベルを上げるということは、このあきらめや小さな不満足を払拭していくことなのです。そういう『で』の次元を創造し、明晰で自信に満ちた『これでいい』を実現すること。それが無印良品のヴィジョンです」――。
「で」と「が」。たった一文字の違いが、無印を無印たらしめてきました。
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