デイトナ・インターナショナルは、セレクトショップ「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」の京都1号店を10月17日、京都・寺町京極商店街に開業した。店舗は2フロア、363平方メートルで茨城県の本店に次ぐ広さ。全国で5店舗目の路面店で、路面店としては関西初となる。同社が掲げる“カルチャー発信型ストア“の最新拠点と位置づける。
京都店の最大の特徴は、伝統とモダンの調和を表現した京都ならではのデザインを店内各所とオリジナルアイテムに取り入れている点だ。フリークスストアでは初めてストアロゴのデザインにグラフィックデザイナーを起用。グラフィックデザイナーの美山有がデザインしたストアロゴは、一文字一文字を紋のように象り、また「京都」の文字は楽焼や寺社、織物の要素を組み込み、パターンとしても展開できる図案とした。ストアロゴはファサードのサインにも採用し、観光と地元の日常が交差する寺町通りの街並みになじませた。
国内外の観光客が数多く往来する通りに面していることから、店頭には土産もの感覚で購入できるオリジナルロゴの限定アイテムが並ぶ。暖簾には、織田信長の御用商人として活躍した京都の老舗綿布商「永楽屋」の生地を採用。永楽屋とコラボした同店限定の風呂敷や京花団扇をはじめ、Tシャツやナップサック、キャップ、ソックス、グラスなどでオリジナルロゴをアピールする。
その横には、ドリンクのテイクアウトコーナーを設置。国産レモンを使ったレモネードや、長野県の耕作放棄地を減らす活動から生まれた国産とうもろこしのポップコーンなどを提供する。
1階のイベントコーナーでは、2年前から始めた映画配給・宣伝事業「フリークスムービー」などが展開する話題のコンテンツを紹介。オープニング時は、ディズニーのSFアクション映画「トロン:アレス」の公開に合わせ、映画に登場する1/1サイズのバイクを展示し、コラボTシャツなど関連商品を販売する。

2階につながる階段の壁面には、銭湯絵師の山本奈々子さんによるオリジナルのペンキ絵を展示。京都の東山と五重塔に同店のロゴを融合させた風景画がより京都らしさを印象づける。
売り場は、従来の統一されたレイアウトから変更し、よりブランドごとの世界観を楽しめるコーナー展開で構成。多様な空間演出のなかに「フリークストア」のカルチャーや映画、DX、海外ブランドなどのコンテンツを盛り込んだ。
京都の地域課題解決プロジェクトも
京都観光の中心地でもある寺町通りに出店した狙いについて、ブランディング本部の清宮雄樹部長は、路面店舗が地域コミュニティーとの接点として重要な役割を担っていることをあげる。「長年にわたって物件を探してきたが、ようやく希望のロケーションが見つかった」と明かす。
もともと茨城県古河市の本店では、地域と密接に取り組み、独自の施策や企画を行ってきた背景がある。長野や静岡など路面店がある地域では、行政と包括連携協定を結び、課題解決型のコラボレーションに取り組んできた。例えば、古河市では若者の人口流出という社会課題に対し、店舗2階にコワーキングスペースを設置することで若者が働ける場所や起業の環境を整備。静岡市では、“オクシズ”という観光地が若者に理解されていないという課題に対し、プロモーション動画を制作し、キャンペーンに協力した。
「京都では杣着(そまぎ)という木の総称をブランド化することで若者にリーチしていきたいという課題解決を掲げたプロジェクトがある。そまぎを使った看板を作成し、店頭に設置するなど京都市と協力してこの取り組みを進めている」と清宮部長は話す。
今後は、地域コミュニティーとの連携をより強化し、京都店を起点にさまざまな出会いや取り組みが生まれることを期待する。「京都は学生の街でもあり、大学生は店舗にとって重要なターゲット。同志社大学など地元の学校との連携も進めていきたい」と清宮部長。単なるセレクトショップの枠を超え、地域コミュニティーや文化発信の拠点をめざす姿勢を鮮明にしている。
■FREAK'S STORE京都
オープン日:10月17日(金)
場所:京都府京都市中京区寺町通三条下ル永楽町225番地