WWDJAPAN.comは4月までマンガ版「ザ・ゴールシリーズ 在庫管理の魔術」を連載していました。在庫過剰に陥ると、つい値下げセールに頼ってしまう――。しかし、本当にそれしか方法はないのか? 利益を高め、最大化するための解決策を、アパレル在庫最適化コンサルで「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」「図解アパレルゲームチェンジャー」等の著者である齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、同マンガを読みながら、解説して行きます。今回は、第6話を取り上げます。
相談することで信頼が生まれる
今回のテーマは「バックヤード業務をしている人を味方に付けることの大切さ」です。
マンガ「在庫管理の魔術」の第6話は コチラ 。
前回までに、主人公、徹が店長を務めている渋谷店が独自の発注方法を導入して大きな成功を収めたストーリーが描かれていました。この成功の陰には、主人公の元上司でもある地域倉庫のマネジャーの存在があります。店舗で働いている人の多くは、バックヤード部門の人たちとあまりコミュニケーションをとりたくない思っています。というのは、何かの手違いを起こして、バックヤード部門から叱られた経験があったり、同僚が起こられているのを見聞きしているからです。一方、一部の人は「売り上げをつくっているのは自分たちだぞ」と言わんばかりに、上から目線の態度でバックヤード部門と接していたりします。
でも、実はバックヤード部門の人たちは、店舗や営業部門のスタッフから、謙虚な態度で、「教えてください」とか「こんなことできませんでしょうか?」と頭を下げて、相談されることを嬉しく思っている人も少なくありません。そして、よく相談してくる人がピンチに陥ったときには、何とかしたいと考えて行動を起こしてくれるものです。相談があるということは、前向きに仕事をしている人、そんな人の苦境を放っておけず、ひと肌脱いでやろうと考えてくれるものです。
リスクを取ろうとしない上役には
話の後半には、地域倉庫のマネジャーの上司にあたるエリアマネジャーが登場します。この人は、自分のことを「慎重かつ賢明な方法を選ぶ人間」だと評しており、決してリスクを取ろうとはしません。現実の世界でも、管理職に就いている人の中にはこのようなタイプが多いでしょう。このような人に首を縦に振ってもらうための秘訣は、自分が全てのリスクをとるような提案をすることです。万が一、失敗しても、その人に責任が及ばないような提案にしなければなりません。そして、成功したら、その人の手柄にしてあげることも重要です。
どんな優秀な人でも、仕事を独りでしているわけではありません。今回は、周りの人を味方に付けることの大切さと、そのためのコミュニケーション方法を学べるストーリーでした。