米サンフランシスコで2016年にスタートした「オールバーズ(ALLBIRDS)」といえば、17〜18年ごろ、メリノウールのスニーカーが“シリコンバレーの制服”と呼ばれるほどIT起業家や投資家たちにヒットした。その勢いのまま21年に米ナスダック上場を果たしたが、22年12月期をピークに売上高は減少。24年12月期売上高は前期比25.3%減の1億8980万ドル(約269億5160万円)、純損益は9330万ドル(約132億円)の赤字(前期は1億5250万ドル=約216億円の赤字)と、状況は厳しい。相次ぐCEO交代、リストラ等をへて、D2Cモデルから国・地域ごとにパートナー企業と提携する事業モデルに転換を試みている。日本では、小売りビジネスや企画力に長けたゴールドウインと独占販売契約を締結、同社が24年6月から事業を担っている。ゴールドウイン体制で、どのように再成長を目指すのか。
コロナ禍前に「オールバーズ」が急成長したのは、D2Cブランドブームやサステナビリティの潮流拡大をうまく捉えたという側面は大きかった。しかし、コロナ禍以降は実店舗再評価の流れが強まり、D2Cブームは沈静化。サステナビリティにおいても、既存のスポーツメーカーが環境にも配慮したスニーカーを徐々に企画するようになっている。ファッショントレンドの文脈でも、シンプルな「オールバーズ」のスニーカーの正反対と言えるような、テッキーなデザインのパフォーマンススニーカーが今は支持を広げている。
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