ファッションショーといえば、広い会場に設けられたランウエイを闊歩するモデルたちと、それを一目見るべく集まった大勢の来場者というイメージが一般的だろう。昨今では、メディアに加えて多くのセレブリティーやインフルエンサーもこぞって参加する、華やかな一大イベントの様相を呈している。しかし、今季のミラノ&パリ・ファッション・ウイークでは、小さめの会場で親密な雰囲気のショーを開催するブランドが増加。ここでは、その理由や変化の背景について解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月21日号からの抜粋です)
2025-26年秋冬パリ・ファッション・ウイークは、新たなデザイナーによるデビューコレクションを披露した「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「トム フォード(TOM FORD)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」が特に大きな注目を集めたが、現場でそれを目撃できた人は意外と少ない。
新生「ジバンシィ」を率いるサラ・バートン(Sarah Burton)=クリエイティブ・ディレクターが初コレクションを披露する場として選んだのは、ジョルジュ・サンク通りに建つメゾンの本社内にあるサロン。ショーは2回開催したものの、いずれの回もゲストは300人と少なめだった。「ドリス ヴァン ノッテン」のジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)=クリエイティブ・ディレクターは、ガルニエ宮(オペラ座)でのショーに400人を招待。「トム フォード」のハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)=クリエイティブ・ディレクターは、会員制クラブに見立てた会場で、200人の厳選された招待客を前にデビューコレクションを発表した。
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