ゲオホールディングスが手掛ける総合リユースショップ「セカンドストリート(2nd STREET)」は、全国に約830以上の店舗を構える。リセール業界最大手で2023年下期に好調だったブランドやアイテムは?セカンドストリートの竹下優也商品1課リユースバイヤーユニット(カジュアル衣服)に聞いた。なお、同社では初期売価3900円以上(一部を除く)を対象に売れ筋データを収集している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月26日号会員限定特別付録「ビジネスリポート 2023年下半期」からの抜粋です)
WWD:2023年下半期の商況は?
竹下:衣料品・雑貨の売上高は前年同期比約20%増と好調だった。前年より買い取り金額が伸長したことによって商品展開数が増え、品ぞろえの鮮度を保てたことで顧客の来店頻度が上がり売り上げにつながった。12月には横浜で行われた国内最大級のスニーカーイベント「Snex2023」に初出店。ハイプスニーカーが当たるガチャを設置するなどして、盛り上がった。
WWD:好調だったカテゴリーは?
竹下:アメリカ系ブランドやアウトドアブランド、デザイナーズブランドがよく売れた。アイテムでは「アークテリクス(ARC'TERYX)」のマウンテンパーカや「サロモン(SALOMON)」のシューズなどテック系が好調。ダウンジャケットも根強く人気だ。「モンクレール(MONCLER)」「タトラス(TATRAS)」「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」などがランキング上位に並んだ。暖冬の影響で出だしは遅れたが、その後の消化は順調。一次流通のアウター商戦が苦戦したなか、かなり健闘したと評価している。
WWD:市況では暖冬の影響で重衣料は苦戦した。好調要因はどこにある?
竹下:9月の買取アップキャンペーンなどが奏功し、買取商品数が増えたことだ。買取強化ブランドが顧客に浸透しており、商品の回転が良い店舗は、季節の変わり目に「(不要品を)売りに行こう」という顧客マインドが定着しつつある。
WWD:好調だったブランドとその共通点は?
竹下:古着人気により「リーバイス(LEVI'S)」「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「シュプリーム(SUPREME)」「カーハート(CARHARTT)」「ステューシー(STUSSY)」などがけん引。数年前まで安価だった定番アイテムの価値が上がっている。市場価格と連動させて値付けしているので、おのずと購買単価もアップ。“オールド ラルフ ローレン”などは特に取引数が増えている。
WWD:インバウンド需要は伸びている?
竹下:前年に比べて大きく伸びた。ラグジュアリーブランドや「シュプリーム」など免税実績が高い商材を、都内や主要都市にあるアーバンタイプの店舗に集めており、インバウンド客にしっかり売れている。
WWD:セレクトショップ系は?
竹下:メンズは「フリークス ストア(FREAK’S STORE)」「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」のシャツやダウンジャケット。ウィメンズは「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」「イエナ(IENA)」のコートやワンピース、ニットが動いた。ウィメンズはカジュアルよりもキレイめなテイストがよく売れる。
WWD:古着を扱う店が増えているなか、消費者が「セカンドストリート」を選ぶ理由はどこにある?
竹下:ファッション感度が高い顧客には、ブランド数の多さと入荷頻度の高さを支持してもらえている。多ジャンルのアイテムを年代に限らず一気に見られる商品構成なので、掘り出し物を探す楽しみがある。また、全国展開により認知度が上がっており「リユースショップといえば」の第一想起店になってきた。最近ではインスタグラムやTikTokで「#セカスト巡り」のタグ付けとともに“ディグった”商品をアップするトレンドもZ世代を中心に見られる。今までにない楽しみ方で利用する顧客が増えている。
WWD:今後の計画は?
竹下:SDGsやサステナブル企画として、地方自治体からの協業オファーが増えている。たとえば1月は北海道・札幌市とリユースイベントを実施した。リユースショップとしての認知度の高さを生かして、今後もこうした自治体とのコラボレーション企画を行っていく。