
カナダ発のアウトドアブランド「アークテリクス(ARC’TERYX)」は、北海道・ニセコで体験型ポップアップ「アークテリクス ニセコ ハット(ARC’TERYX NISEKO HUT)」を2026年3月29日まで開催している。近年人気が高まるバックカントリー(管理されていない山を自分の足で登って滑るスキーやスノーボード)を見据え、山の本質と向き合う拠点を目指す。プロダクトやワークショップを通じて、雪山を安全かつ快適に楽しむための学びと交流の場を提供する。
変わりつづける山に、静かに応える
「アークテリクス」レイヤリング哲学

「アークテリクス」は近年、ファッションアイテムとしての注目も高いが、そのルーツは1989年にカナダ・バンクーバーで誕生したアウトドアブランドにある。山岳地帯で培った開発思想を背景に、クライミングやスキー、バックカントリーといった本格的な山岳アクティビティー向けプロダクトで、機能性とクラフツマンシップを追求してきた。そうした知見を生かして提唱するのが、レイヤリング理論 “システム オブ ドレス(System of Dress)”だ。ポップアップでは、この思想を知識と実体験を交えながら理解できる構成としている。
会場は「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」スキー場の麓に位置し、山小屋を思わせる2つのテントが並ぶ。左手の「パフォーマンス ラボ(PERFORMANCE LAB)」は、プロダクトを試せる体験型展示スペースだ。バックカントリー向けに設計した“ラッシュ ジャケット”“ラッシュ ビブ パンツ”に加え、ミッドレイヤーの中核を担う“プロトン フーディー”“アトム フーディー”の計4型をラインアップ。“システム オブ ドレス”を解説したパネルも展示する。
より軽く、より強くアップデートした“ラッシュ ジャケット”は、PFASフリーで製造した「ゴアテックス プロ ePE」素材を新たに採用。しなやかな質感でありながら高い耐久性と軽量性を両立した。登りでは蒸れを抑え、下りでは防風性を発揮する設計だ。ブレイズ×キャンバス、オリーブモス×ブリスなど、真っ白な雪山に映えるカラーで、メンズとウィメンズの新色を展開する。“ラッシュ ビブ パンツ”は、効率的な登りを支える立体裁断と、足全体にゆとりを持たせたシルエットが特徴。サスペンダーアタッチメントを改良し、着用時の安定性を高めた。
体温調整を担うミッドレイヤーの“プロトン フーディー”は、透湿性に優れたインサレーションを採用し、運動量の多いバックカントリーでも快適な着用感を保つ。軽量性と耐久性を両立し、立体構造パターンによって動きやすさも確保。高い汎用性を発揮する。
“アトム フーディー”もミッドレイヤーとしてはもちろん、クライミングなど幅広いアウトドアシーンに対応する汎用性の高さが魅力。「アークテリクス」独自のコアロフト™︎断熱材を採用し、ダウンに匹敵する保温性に加え、はっ水性や高い通気性、軽量性を備える。年間を通して活躍する1着だ。
これらのプロダクトは展示・販売だけでなく、「アークテリクス」主催のバックカントリーツアー(要予約)でのフィールドテストも可能だ。レイヤリングの重要性やプロダクトの機能性を実体験できる。
バックカントリー後にくつろぐ
学びと余韻のラウンジ
向かい側のテント「マウンテン ラウンジ(MOUNTAIN LOUNGE)」は、バックカントリーを終えた後に立ち寄るためのラウンジスペースだ。心地良い音楽が流れる中、疲れた体を休めながら、ゆったりと過ごすことができる。スペース内のライブラリーには、「アークテリクス」がコレクションする山やトレイルに関する書籍がそろい、ニセコの自然や山岳文化への理解を深められる。また、ニセコ周辺のトレイルを紹介するマップも展示し、滞在そのものが学びのひとときとなる設えだ。
併設したキッチンカーでは、ホットサンドやクラムチャウダーをはじめ、地元ロースタリーのコーヒー豆を使ったコーヒー、地元ブリュワリーのクラフトビール、ホットワインなどを販売する。ニセコのシンボル羊蹄山をイメージした抹茶のかき氷も用意し、「アークテリクス」のロゴを刻印したオリジナルの枡で提供。冬山で過ごした一日の余韻を仲間と分かち合いながら、くつろぎの時間を過ごすことができる。
■ARC’TERYX NISEKO HUT
会期:12月20日〜2026年3月29日
時間:12:00〜20:00(予定)
住所:北海道虻田郡倶知安町ニセコひらふ1条3丁目3-2
※天候やコンディションで変更となる可能性あり