ファッション

先人から受け継いだ丸の内のレガシー:見果てぬ街づくりvol.2

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 ビジネスの街だった丸の内は、ショッピング、食、エンターテインメントなどの新しい魅力が加わってたくさんの人が訪れる街に変わった。三菱地所時代に街の商業化を担当した安田氏は、偉大な先人たちが残したレガシーの上に今があるという。(この記事はWWDジャパン2022年6月20日号からの抜粋です)

 明治維新後、丸の内の一帯は軍用地だった。三菱の大番頭・荘田平五郎は、陸軍が払い下げるという情報を滞在先の英国で知り、即座に「買い取るべし。日本にもロンドンのようなオフィス街が必要だ」との電報を三菱の総帥・岩崎弥之助に送った。買取額は128万円。これは当時の東京府の予算の3倍だった。

 1890年から英国人建築家ジョサイア・コンドルを顧問に迎えて開発が始まった。一丁ロンドンと呼ばれる日本初のオフィス街である。往時の姿は、丸の内パークビルディング(2009年竣工)内に復元された三菱一号館(三菱一号館美術館)に見ることができる。

 私は丸の内パークビルディングの商業・文化ゾーン「丸の内ブリックスクエア」を開発し、中庭にイングリッシュガーデンを企画した。三菱一号館の赤煉瓦のたたずまいと、バラをはじめとした季節の草花が訪れる人々を異空間に誘う。ウエディングフォトの撮影スポットとしても人気だ。当初は幾何学的な中庭になる予定だった。設計士は「ここは街のボイド(意識的に作られた構造物のない空間)」と言っていたが、私は「恋人たちのロマンティックな庭にしたい」と譲らなかった。

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