ファッション
連載 新50〜60代“主役世代”に注目

アダストリアが50〜60代市場を強化する理由 「数年後には郊外SCにもこの世代向けフロアができる」

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 「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」など、ヤングやファミリー層向けの業態で成長してきたアダストリアが、さらに上の世代向けのブランド開発を強化している。2019年秋に50代向けの「エルーラ(ELURA)」、20年秋に60代向けの「ウタオ(UTAO)」を立ち上げ、既に「エルーラ」はららぽーとTOKYO-BAYや相鉄ジョイナスなどに単独店を出店。今後は「ウタオ」でも、同様に単独店出店を予定する。両ブランドを手がける新井隆広アダストリア営業第3本部長に聞いた。

WWD:「エルーラ」はもともとECと「グローバルワーク」店頭でコーナー展開していたが、20年3月にららぽーとTOKYO-BAYに単独店を出してからは丸一年が経過した。ブランドとして進捗は?

新井隆広アダストリア営業第3本部長(以下、新井):ECは伸びているが、実店舗はコロナ禍のため、他のブランドと同様若干伸び悩んでいる。立ち上げ当初は50代のオンスタイル(通勤など)を想定していたが、コロナ禍で通勤ニーズが減り、オン・オフシーン兼用できるMD構成に修正中だ。まさに休日着、というものではなく、“サマ見え”する(一枚着るだけでさまになって見える)カジュアルを追求している。

WWD:「ウタオ」はECと「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」店頭でコーナー展開している。進捗は?

新井:予想以上に実店舗の売り上げがいいことを受けて、22年2月までにこちらも単独店出店を目指す。当初は東京・丸の内や日本橋の商業施設など、都心の60代が多い環境への出店を考えていたが、コロナを受けて準郊外のSCを視野に入れている。ECに話を移すと、社内の若いブランドがコロナで大きくEC売り上げの構成比を伸ばしているのに比べると、「ウタオ」の伸びは小さい。売り上げ全体に占めるECの比率は現在約3割。社内の若いブランドでは5割近いところもある。SNSへの反応も、「ウタオ」「エルーラ」共にまだまだ薄い。

 他方、TV通販の反応はよく、2月に「ショップチャンネル(SHOP CHANNEL)」に「ウタオ」が出演した際は、30分間の番組で2型で700万円が売れた。やはりTV通販には60代のお客さまがいる。TV通販はなかなか出演枠が空いていないが、5月下旬にも再び取り組む予定だ。

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