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エイ出版社の24媒体を買収したコンサル&投資会社が語る事業の行方

 コンサルタント&ベンチャー投資会社のドリームインキュベータ(東京都、原田哲郎代表取締役最高経営責任者)は2020年12月、アウトドア誌「ピークス(PEAKS)」やサーフィン誌「ナルー(NALU)」など趣味の雑誌を多数手掛けるエイ出版社(東京都、角謙二社長)の24のメディアと、エイ出版社の子会社で同社のエディトリアルデザインなどを手掛けるピークス(以下、旧ピークス)の全事業を買収、同月にピークス(以下、新ピークス)を設立して21年2月5日に営業を開始した。今、出版社以外の会社が紙メディアを所有する意味とは?半田勝彦ピークス代表取締役兼取締役会議長に話を聞いた。

WWD:買収先にエイ出版社を選んだ理由は?

半田勝彦ピークス代表取締役兼取締役会議長(以下、半田):エイ出版社は“趣味の雑誌社”を公言しており、ライフスタイルに寄り添った雑誌を多数出版していた。ニッチとも言えるセグメントによりファン(読者)の属性がしっかりしており、エンゲージメントも高かった。ウィズ・アフターコロナ時代にわれわれの価値観は大きく変容し、人生を豊かにする趣味の必要性はいっそう高まる。またコンサルタント&投資会社であるドリームインキュベータとしては、コンテンツメーク機能とブランドとしてのメディアが欲しかった。ニューノーマル下で、持続可能な価値を提供していきたい。

WWD:買収に伴いオフィスやスタッフに変化は?

半田:新ピークスは、引き続き東京・用賀にあるエイ出版社も入居するビルの1フロアで営業を続ける。業務委託を含む約140人のスタッフも変わらず雇用する。

WWD:取得したメディアや組織について整理の予定は?

半田:最適化やバリューアップという意味ではイエスだ。これまでの雑誌にとってマネタイズは、もちろん雑誌販売による儲けもあるが、広告一本やりだった。今後は、24メディアによって得たデータを活用したい。雑誌以外のものを対象とした物販や、ファンの囲い込みによるコミュニティー形成などが挙げられる。それらのデータをドリームインキュベータのコンサルティングや投資に生かすこともあるだろう。

WWD:データが肝になる?

半田:その通りだ。データサイエンス機能は旧ピークスにもあったが、それを強化する。しっかり分析して的中させる。DX(デジタルトランスフォーメーション)によって既存の価値を最大化したい。なぜなら、24のメディアと旧ピークスの持つ製作機能は優秀で魅力的だからだ。

WWD:今後も新たな買収プランはある?

半田:新会社が船出したばかりなので、まずは新ピークスに注力したい。前進する中で新たな発見もあるだろう。その際には“拡張”もあるかもしれない。今回譲受したジャンルとは異なる、金融や老後などでの拡張だって可能性としてはある。

 24のメディアを譲渡したエイ出版社には、メンズファッション誌の「ライトニング(LIGHTNING)」「セカンド(2ND)」、バイク誌の「ライダースクラブ(RIDERS CLUB)」、タウン誌の「世田谷ライフマガジン」などが残る。

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