ファッション

「グッチ」を去ったサバト・デ・サルノが故郷ナポリの書籍を発刊 「中心人物にはなりたくない」とキュレーターに徹する

グッチ(GUCCI)」を去ったサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)が書籍「ナポリ・インフィニータ(Napoli Infinita)」をキュレーションした。イタリアの都市ナポリにおける2500年の歴史を記念し、さまざまな声を通して街を再発見する書籍だ。

サバトは書籍について、「現代のナポリのアーティストたちを集めた。私は、ナポリという街にまつわる常套句やステレオタイプを超えた、さまざまを探求したかった」と語る。ナポリ近郊の小さな町チッチャーノ出身のサバトは、個人的に知り合ったり、リサーチしたりのアーティストや写真家、監督、音楽家、詩人を集めた。「対話して、対照的な声を提供することに興味があった。それがナポリを反映するから。この街は、世界を包括性を持って見つめること、違いを受け入れることを教えてくれた。ナポリは、感情と文化を育む場所。私たちをしっかりと抱きしめ、同時に解放してくれる場所。この声に耳を傾けた」と続ける。

「グッチ」のクリエイティブ・ディレクター時代にも
自身の芸術的ビジョンを伝える書籍を発刊

サバトは2023年1月に「グッチ」のクリエイティブ・ディレクターに就任すると、まずは自身の芸術的ビジョンを伝える書籍シリーズ「グッチ・プロスペクティブ(Gucci Prospettive)」の出版に着手。ミラノとその芸術作品、文学作品、音楽、映画、ファッションを称え、戦後から現代に至るまでのミラノの文化と芸術の歴史を綴った。その後もテムズ川からサウスバンクの国立劇場に至るまで、ロンドンのランドマークを記録するなど、在任時代には書籍の出版にも意欲的だった。

今回の書籍では「中心人物にはなりたくない」として、キュレーターとして独自のメッセージを持つ35人のアーティストを「本能的に」選び、レイアウトした。「これは、街を知る、あるいは街の一部となるための方法だ。街への贈り物と言うのはおこがましい。むしろ、自分への贈り物だから」と微笑みながら語った。

参加アーティストには、ミュージシャンのラ・ニーニャ(La Nina)、ディレクターのエドガルド・ピストーネ(Edgardo Pistone)、デュオのビアンコ=ヴァレンテ(Bianco Valente)、写真家のチーロ・バッティローロ(Ciro Battiloro)ら。編集プロダクションのNSS エディコーラとクラテーラが出版した。

またサバトは、フィレンツェのIEDスクールが主催する新たな共同教育プロジェクトにも参加している。

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