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通販ブランドから“ビューティブランド”へ 「オルビス」初の体験型施設が表参道にオープン

 オルビス(ORBIS)が、旗艦店「スキンケア ラウンジ バイ オルビス」を7月17日に東京・表参道にオープンした。自身の肌状態を理解し、正しいスキンケアを学ぶためのコンテンツやアプリ会員限定のスキンケアトリートメント、ワークショップ、さらには初のジュースバーなど、“パーソナル““体験”がキーワードになるショップだ。

 1987年の創業以来、通信販売と直営店舗での展開を行なってきた「オルビス」が、なぜ今、体験型の店舗を?と思うかもしれないが、これはブランドが2018年から行なっているリブランディングの一つだという。オルビスの小林琢磨社長は、「リブランディングではブランドロゴ・コーポレートカラーの変更や『オルビスユーシリーズ』『ディフェンセラ』といった戦略的商品も登場させている。今回の旗艦店は、リブランディングの一環として、心地よくいられる生活をサポートするために、“自身を知る”ためのショップだ」とコメントした。

 では、“自身を知る”とはどういうことなのか。同社がメイクもファッションも大好きという“今どき”の女性に調査したところ、「正しいスキンケアの方法がわからない」「自分に合っているアイテムを知りたい」という声が多かったそうで、おしゃれの感度が高い人でも、意外と基本的なことを理解していなかったのだ。そこで「スキンケアを学ぶきっかけがない人に向けて、五感で心地よさを満たしながら、自分らしい“美しさ”を見つける場所を提供したい」とショップを作った。続けて、「モノ作りには自信があるので、店舗以外でも製品を正しく使ってほしく、それを伝えるためのお客さまの拠点作りをしたかった」とブランド統括グループ クリエイティブディレクターの小椋浩佑氏。

 そして誕生した「スキンケア ラウンジ バイ オルビス」のコンセプトは、“自分の肌を知り本来の力を引き出す体験”の場。2フロア構成で、1階は誰もが入りやすいオープン&インクルーシブなフロア、2階はプライベート&エクスクルーシブなアプリ会員限定のフロアとなっている。「FEEL」「LEARN」「TAKE」を軸に、自身の心地よさや美しさを見つけるコンテンツを豊富にそろえているのが特徴だ。

 以前の「オルビス」は30〜50代がメインだったが、リブランディング後はその構成に変化が出始めているという。「『オルビスユー』の登場が新客を獲得し、20代後半〜30代のナチュラル・オーガニック志向のお客さまが増えた。今回の出店目的の1つとして、これまでのお客さまとのつながりの強化はもちろん、表参道エリアへの出店で、“ブランドの世界観に共感してもらえる人”との接点を増やすという目的もある。これまで接点を設けられていなかった表参道エリアに訪れる年間5万~6万人規模の来街者との、新たなブランド体験としての接点の構築を目指す」と小椋氏は語る。

 では、ショップの中に入った人に対する接点はどうか。これまでブランド体験の一つとして、18年から全国の直営店で、肌の水分や油分、くすみ、ハリ、キメなどを測定して“肌偏差値”を診断する「パーソナルスキンチェック」を導入していたが、新たに一人一人のファンデーションとメイクを提案する「パーソナルファンデーションチェック」サービスも開始した。今後、“未来肌”診断など新サービスの提供を控えており、“体験型”の進化も続いていきそうだ。

 また、朝8時からオープンするジュースバーは、その日の気分や状態を診断して選ぶ「インナー カラー ジュース」(Sサイズは650円、Lサイズはボトル入りで1200円。“飲むスキンケア”の「オルビス ディフェンセラ」もついている)を提供する。さらに、アプリ会員限定だが2階のパウダールームは無料で利用でき、半個室で1時間、メイク直しはもちろん、仮眠、瞑想もできてしまうのは忙しい毎日を過ごしている人の強い味方になりそうだ。

 「“通販ブランド”というイメージから脱却し、“ビューティブランド”としてブランドの世界観や思いが選ばれる存在になりたい」(小椋氏)という、その「思い」の体現の場に期待したい。