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「客数が減ったからこそ、これまで以上のおもてなしを」 新型コロナの逆境に立ち向かう化粧品ブランド

 新型コロナウイルスの影響は日に日に拡大している。政府は、感染拡大防止策として、多くの人が集まるスポーツ、文化イベントなどは、中止、延期または規模縮小等の対応を、加えて全国の小中高は臨時休校を要請するなど、企業・学校などが対応に追われている。ビューティ業界においても、資生堂が国内グループの社員8000人を、花王が国内拠点勤務1万5000人を在宅勤務とするなど、業務への影響は計り知れない。2月26、27日に調査を行なったが、刻々と変わる状況に対応に追われている。一方で、この逆境に「接客の質の向上」を目指し、立ち向かう姿も見られる。

 資生堂やポーラ・オルビスHD、阪急うめだ本店などは中国への渡航を禁止もしくは自粛し、そのほかコーセーや三越伊勢丹グループ、マッシュビューティーラボなどは海外出張の全面禁止もしくは自粛しているケースが多い。実施予定だった商談などはメールや電話、テレビ電話を推奨しているケースが多い。

 生産や物流については、「国内生産なので影響はない」(資生堂)、「国内生産・材料調達がほとんどのため、現時点では直接的な影響は微減と考えている」(ポーラ・オルビスHD)とするが、「現時点では品切れなどは発生していないが、長期化することでサプライチェーンへの影響が危惧され、随時、情報を取りながら模索してく」(コーセー)、「フレグランスの主な生産はフランスであることから特に支障をきたしていないし、生産体制も半年先を見込んで組まれており、ここ数カ月は支障ないとみるが、長期化するとなると状況は変わってくる可能性は否めない」(ブルーベル・ジャパン)など、長期化による懸念は拭えなそうだ。

 また小売店では、「商品よりもパッケージや紙袋などの販促物に今後影響が出てくることが想定される。現在情報を収集しているところだ」(阪急うめだ本店)、「ショッパーや備品の供給に多少影響が出ているが、化粧品に関しては欧米からが多いため、若干の納期遅延程度で収まっている」(マッシュビューティーラボ)と語る。

 国内では発表会やイベントが続々と中止・延期に追い込まれている。春の立ち上がりの商品のキャンペーン時期だけにその打撃は大きそうだ。各社ともプレスリリースの発行やキャラバンやデジタル通信(SNSなど)を中心に対応するとするが、「地道に」という言葉を発するところが多く、こういった状況での“策”が見出せないのが現状だろう。

 店頭は、美容部員のマスク着用、タッチアップの自粛などが広がる中でも「若干来客数は減っている印象はあるものの、売り上げ、買い上げ客数ともに前年比を上回り好調を維持している」(マッシュビューティーラボ)、「インバウンド需要の大きな店舗では落ち込みが見られるが、その他の場所ではまだ影響は少なく、前年を上回っている店舗もある」(ブルーベル・ジャパン)というところもある一方で、「インバウンドや接客時間の減少に伴い、厳しい状況が見受けられる」(コーセー)、「店頭売り上げに影響は出ている」(阪急うめだ本店)など、メーカー、小売りともに影響は避けられない状況だ。

 ただ一方で、タッチアップを自粛する代わりにレッスン方式に切り替えているブランドも多く、「客数が減った分、国内のお客さまにはこれまで以上のおもてなしで対応できるというメリットも生まれており、今の状況を逆境と捉えずに前向きに考えている」(資生堂)というのが大半。またこれまで多くの顧客対応で時間が取れず難しかった教育にも力を入れ出しているところもあり、こういった時だからこそ前向きな姿勢で立ち向かい、乗り切ろうとしている。