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新型コロナウイルス、化粧品各社にも懸念広がる

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスの被害拡大は、インバウンド需要が大きい化粧品企業にも影を落としている。日本企業の武漢への出張禁止や武漢からの一時帰国などが進む中、中国政府は27日から団体旅行を一時禁止した。昨年1月からの中国の「電子商取引法」改定以降、免税売上高が落ち着いてきていたところに、この新型コロナウイルスの発生はインバウンドビジネスへの影響が懸念される。化粧品各社は、現時点ではその影響を図りかねているようだ。

 インバウンド需要が大きいファンケルは、「直近の週末は例年の春節と同じ状況にある」とし、1月10日に東京・原宿に旗艦店「アットコスメトーキョー」をオープンしたアイスタイルは、「(27日の)今日も多くの個人観光客が来店しているので、急に減ることはないと考えている」と語る。

 一方で1日たった28日に資生堂に聞いたところ、「感染者数の拡大や政府の対応を鑑みると、売り上げに影響が出ると考えている」と懸念を示しており、今後の被害状況により対応も変わりそうだ。ただ各社で、店頭でのマスク着用やリモートワークを推奨するなどして、被害拡大を未然に防ごうという動きは大きい。

 百貨店各社は、「現時点では対策のしようもない」(高島屋広報)とする企業がある一方で、「大きな影響は避けられない。店内では消毒液の常備などを徹底する」(大丸松坂屋百貨店)、「中国のお客さまだけでなく、国内のお客さまの足が遠のく可能性もある」(三越伊勢丹)と懸念を示す会社も。「店内で体調を崩された方への対処など、店舗でのオペレーションを強化し不安を取り除く」(三越伊勢丹)と対策を講じて個人客へのアプローチを強化する方針だ。

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