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「ジャックムス」が雄大な小麦畑で2021年春夏を披露 「フィジカルなショーを諦める考えはなかった」

 「ジャックムス(JACQUEMUS)」は7月16日夜、観客を招いた生のランウエイショーで2021年春夏コレクションを披露した。会場となったのは、パリから車で1時間ほどの距離にあるヴェクサン地方の小麦畑。夕陽を浴びて黄金色に輝く15万平方メートルの雄大な自然の中に曲がりくねった200mのランウエイを作り、そこを男女55人のモデルがそよ風に髪や服をなびかせながら歩いた。会場に招待されたのは約100人だけ。座席となるビンテージチェアはソーシャルディスタンスが確保できるように間隔を空けてくぼんだ小さなスペースに配置されていて、それがポエティックにも感じられた。

 今回のショーは、2月24日〜3月3日に行われたパリ・ファッション・ウイーク以来フランスで開かれる初のランウエイショーとなったが、デザイナーのサイモン・ポルテ・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)は、「フィジカルなショーを諦めるという考えはなかった」とコメント。「ショーは『ジャックムス』のようなブランドの戦略の核であり、感情を伝える特別な瞬間だ」とショーにかける思いを語った。

 フランス語で“愛”を意味する「ラ・ムール(L'Amour)」と名付けられたコレクションは、ペールカラーとナチュラルな質感がポイントで牧歌的なムードが漂う。ウィメンズはリネンのスリップドレスやペンシルスカート、ハイウエストパンツ、ブラトップなどが中心。腰や肩周りに配した極細のストラップと、ねじったり浮かせたりしたユニークなシルエットがアクセントになる。一方、メンズはプリントシャツやハリのある夏らしい生地のテーラリングなどを提案。ヒットしている“チキート(CHIQUITO)”の新作をはじめ、バッグやアクセサリーも豊富にそろえた。ジャックムスは今季、デリバリーが遅れて通常よりも長く店頭に並ぶことになる20-21年秋冬コレクションとリンクすることを心がけたという。また需要に合った生産を行うため、7月31日まで公式オンラインショップでプレオーダーを受け付けている。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員