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新型コロナで留学中止・延期になった学生へ 家でファッションを学べるコンテンツまとめ

 店舗休業や発注キャンセルなど、新型コロナウイルスはファッション業界に甚大なダメージを与えているが、業界で働く人々だけでなく、業界を志す学生にも大きな影を落としている。オンライン入学式やオンライン授業への順応もそうだが、SNS上には留学が中止または延期になったり、留学していたが一時帰国を余儀なくされた学生の不安と悲しみの声が広がっている。「学生生活は短いのに、なんで今?」と思うのは当然で、中には人生計画を練り直さなければいけない学生もいるだろう。とはいえ収束のめどが立たない今、家にいるしか自分たちにできることはない。しかしこんな状況でもファッションへの興味や関心はどうか絶やさないでほしい。そんな願いを込めて、家でファッションを学べる無料のオンラインコースやポッドキャスト、各種サービスなどを紹介する。もちろん留学先のカリキュラムや修了証、異文化で学んだ体験に代わるものではないが、モチベーションを保つきっかけになれば幸いだ。

Online Course

 オンラインコースプラットフォーム「フューチャー ラーン(Future Learn)」には、この記事でも紹介されたフランスの服飾学校、IFM(Institut Francais de la Mode)による、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)やシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼CEOらも登壇するコース「Understanding Fashion: From Business to Culture」のほか、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)とケリング(KERING)が共同で制作したサステナブルファッションに特化したコース「Fashion and Sustainability: Understanding Luxury Fashion in a Changing World」が公開されている。この2つのコースは受講開始から数日間(コースによって異なる)は無料で動画を見ることができる。

 世界中の大学や機関と協力してオンラインコースを提供している「コーセラ(Coursera)」では、ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York、MoMA)が「Fashion as Design」というコースを提供している。世界中から収集した70以上の生地やアクセサリーを通して、人々が何をなぜ着て、どう作られているのか、服は何を意味するのかなどをデザイナーや歴史学者から学ぶことができる。また、イタリアのボッコーニ大学(Universita Bocconi)は、「Management of Fashion and Luxury Companies」というコースを提供している。このコースはファッションは何か?という基礎をはじめ、ラグジュアリーファッション企業からファストファッション企業のビジネスモデルやマネジメントなどをケーススタディ形式で学べる。「コーセラ」は最初の1カ月間が無料で、購読解除はいつでも可能だ。

SHOWstudio

 フォトグラファーのニック・ナイト(Nick Knight)が主宰するサイト「ショースタジオ(SHOWstudio)」では、ニック・ナイトのディレクションのもと、キム・ジョーンズ(Kim Jones)やピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)、ケイト・モス(Kate Moss)らエキスパートたちの動画インタビューやパネルディスカッションなどを掲載。そのほかカニエ・ウェスト(Kanye West)やリック・オウエンス(Rick Owens)による音楽のプレイリストを紹介するプロジェクト「Fashion MIX」や、スタイリストやアーティストがショーのベストルックを解説する動画シリーズ「Best in Show」などさまざまなプロジェクトが動いているが、中でも2002年にスタートしたプロジェクト「Design Download」は、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」や「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」「マルタン マルジェラ(MARTIN MARGIELA)」「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」など名だたるブランドのデザインパターンを無料でダウンロードでき、家で制作に励みたい服飾学生にぴったりだ。

Podcasts

 「ビジネス・オブ・ファッション(Business Of Fashion、BoF)」のポッドキャストでは業界をリードするプロの話を聞くことができるのが最大の特徴だ。ファッション業界人にインタビューするシリーズ「Inside Fashion」や、名物ジャーナリスト、ティム・ブランクス(Tim Branks)=エディター・アット・ラージによるコレクションの振り返り、「BoF」主催のセミナーイベント「BoF VOICES」からのアーカイブを収録している。新型コロナ禍の現在は「BoF」のインスタグラムアカウントで「#BoFLIVE」と題してデザイナーのチャールズ・ジェフリー(Charles Jeffrey)やヘアスタイリストのサム・マックナイト(Sam McKnight)、エマニュエレ・ファルネティ(Emanuele Farneti)伊「ヴォーグ」編集長らと共にインスタライブを行なっているが、このアーカイブもポッドキャストに収録されている。

 「ハイスノバイエティ(Highsnobiety)」のポッドキャストシリーズ「ドロップキャスト(dropcast)」では、「ハイスノバイエティ」のエディターたちが毎週ストリートファッションのニュースや発売アイテムの振り返り、今週何を買ったかといったトピックスについてカジュアルに話すのだが、出演者の本音を聞くことができるのが面白い点だ。「このスニーカーは俺だったら“drop(買わない)”するね」などと正直に話してくれるので、ストリートファッション界で何が今アツいのかが非常に分かりやすい。またマシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)といったビッグネームも時々参加するので、フレンドリーな雰囲気の中で彼らの話を聞くことができるのも特徴だ。

Google

 グーグルが提供する「Google Arts & Culture」は、家にいながら世界有数の美術館や博物館を巡り、収蔵されているアート作品を鑑賞することができるサービスだ。インスピレーション探しに美術館のバーチャルツアーに参加するのもありだが、ファッションに特化して学びたいならプロジェクト「We Wear Culture」がおすすめだ。このプロジェクトのページから美術館や博物館が収蔵する服飾のアーカイブやオンライン展示にアクセスできるだけでなく、ファッションのあり方を変えたスターやデザイナーについてのストーリーをまとめたトピックスページや、ベルサイユ宮殿から東京のストリートまでのトレンドをまとめたトピックスページを見ることができる。

YouTube

 ユーチューブを知らない人はいないだろうが、「youtube.com」のあとに「/fashion」を入れて検索すると、ユーチューブ上のファッションにまつわる動画がまとめられたチャンネルページにアクセスできることを知っている人は少ないかもしれない。19年に立ち上がったユーチューブの公式チャンネルで、ファッションショー、デザイナーやモデルへのインタビュー、クローゼットツアー、メイクのハウツーなどありとあらゆる動画がまとめられており、ファッション好きなら何時間も過ごしてしまいそうになるページだ。アカデミックな内容よりも動画として面白いものが多いので、勉強に疲れたらちょっと息抜きによさそうだ。

 今回は留学を志す学生、または留学していた学生を対象とし、かつ無料で体験できるものを紹介したため英語のコンテンツがほどんどになってしまったが、「WWD JAPAN.com」では4月17日17時からファッションとビューティを学べるプログラムをライブ配信する予定だ。もちろん日本語で、マーケット分析やトレンド提案、ヘア&メイクアレンジなどプロフェッショナルからファッション&ビューティラバーまで楽しめるセッションを用意しているので、ぜひのぞいてみてほしい。

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