
花王は10月4日、ヘアケアブランド「メリット(MERIT)」から、親子のインサイトを捉えた“オソロ(OSOLO)”を発売する。価格帯は本体450mL、1100円(編集部調べ)。ブランドアンバサーにはモデル・タレントの長谷川潤を起用し、長女のアイヴォリーと初共演するテレビCMを10月3日から放映する。
“オソロ”は、“大人になっていく娘と、母のための、おそろいシャンプー”をコンセプトに開発。これまで「メリット」の主な購入層は女性が7割を占めていたが、「小学3~4年生頃の女の子が“家族シャンプー”から“美髪系シャンプー”へ移行する傾向がある」(野原聡・花王ヘアケア事業部ブランドマネジャー)ことから、これまでアプローチできていなかった小中学生世代も対象にしている。

同シリーズは、大人のダメージ髪から子どもの繊細な髪までケアできるように髪の“脂質”に着目。同社の「ジアンサー(THE ANSWER)」で採用されているラメラプラットフォーム技術を搭載し、洗髪時に髪の脂質の流出を防ぐ。ジェリークリーム状のシャンプーを“塗り洗い”することで髪全体に均一に成分を行き渡らせる。コンディショナーは毛先までやわらかく、みずみずしくまとまる髪に導く。
処方は植物由来成分をベースに、シャンプーはノンシリコーン、さらにサルフェート・パラベン・合成着色料・鉱物油を不使用。弱酸性で頭皮や髪にやさしい仕様となっている。香りはガーデニア&サボンで、甘くやわらかな印象に仕上げた。
マーケティング面では、インスタグラムやTikTokを通じてママ系・美容系インフルエンサーを起用。UGCを中心に共感を広げながら、製品の機能性や仕上がりの良さを訴求する戦略だ。
CMのナレーションは長谷川潤のエピソードを採用
CMは沖縄を舞台に、成長する娘を誇らしく思いながらも少し寂しさを覚える母の気持ちを描写。親子の愛を髪でつなぐというテーマで表現した。長谷川は、娘との共演について「押し付けはしたくなかったが、『オソロ』のコンセプトに共感し、一緒に出演する意義を感じた」とコメント。仕事のオファーを娘のアイヴォリーに伝えると「すっごく喜びながら『やってみたい』と言ってくれた」と笑顔で振り返った。
野原ブランドマネジャーは「長谷川さんにはCMの企画段階から加わっていただき、チーム一丸で制作に臨んだ。本人によるナレーションのエピソードも、彼女自身の体験をもとにした内容になっている」と説明する。締めくくりには「My dear girl, なるべくゆっくり、大人になって」とのメッセージを込め、母から娘へ向けた心情を表現した。
「メリット」は1970年の発売以来、今年で55周年を迎える。3月には“家族愛シャンプー”を掲げてブランドを刷新し、顧客層を「やさしさ」「安心感」を重視する人々に定義。2024年は「家族と愛とメリット」をテーマにしたCMがSNSで話題を集めるなど、“家族愛”を軸にした新しいコミュニケーションを展開している。