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それは「私の知らない、世界の半分」だから エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月12日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

それは「私の知らない、世界の半分」だから

 さすがに最近は“陰り”が顕著ですが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の支持率が50%前後で安定していたのを見るにつけ、「私の知らない、地球の半分」の存在を痛感してきました。正直私は、彼に全く共感できない(笑)。でも、支持率が50%前後で安定していたということは、「少なくともアメリカ人は、約半数が彼に共感している」のです。多分。

 そう考えて「世の中って、広いなぁ」と思った時、「同じことは、いろんなことにも言えるよね」とも気づきました。例えば私は、「安い洋服を、1シーズンで使い捨てる」ことをほとんどしなくなりましたが、そこに価値観を置き続ける人だっているでしょう。SNSに溢れるネトウヨの意見は、私には「ギョッ」っとするものも少なくありませんが、案外ファボられていることも。そんな時も、「私の知らない、地球の半分」という存在を意識するのです。コロナ前、専門学校で壇上に立たせていただく時はサステナブルとかインクルージョン&ダイバーシティーの話を繰り返してきましたが、複数の生徒から「皆が、そこに価値観を置いているのでしょうか?」という質問をもらいました。鋭い。私の主張は、もしかすると「私が知っている、地球の半分」の価値観かもしれなくて、みんなが賛同するとは限りません。

 無論、「地球の半分」よりも多くの人と価値観が共有できたらサイコーです。メディアとしては、信じる価値観に共感してくれる人が現段階では50%だとしたら、それを60%、いや、まずは51%にする努力が必要だと思うし、こうした努力をしなければ前進なんてあり得ないでしょう。でも一方で、「私の知らない、地球の半分」が存在するならば、そんな人からの自分に向けての罵詈雑言なんて(おかげさまで最近は、そんな言葉を浴びる機会は減っていますがw)、ホントにクヨクヨしなくていいのかな?と思っています。その罵詈雑言が「私の知らない、地球の半分」から発せられたものであるならば、その言葉が飛び出た世界は、多分この後も「私の知らない、地球の半分」。だったら別に打ちのめされなくて良いんじゃない?って思うのです。

 勘違いしていただきたくないのは、排他的になったワケじゃないんです。「私の知らない、地球の半分」は今も興味深いと思っているし、「その世界の住人は、こんな風に考えるんだ」と学ぶこともあります。というか、学びが多いです。自分は共感できない意見も、いや、自分が共感できない意見だから面白い。でも、「私の知らない、地球の半分」の価値観だから、意見が合わなくても怒らないし、バッシングされても気にしない。そんな度胸が身についた、そんなカンジでしょうか?以前このメルマガでは、末尾にリンクを貼りました「好かれるか、嫌われるか。それでいいの」というお手紙を書きましたが、その思いはますます強くなっています。で、万が一嫌われた時、それが「私の知らない、地球の半分」の価値観っぽかったら、正直、そんなに気にしない。「そっかー、そんな意見もあるんだね。勉強になるね。でも、共感はしないね」くらい、冷静に受け止めるようになった。そんなカンジでしょうか?

 週末に、重たいトピックスをぶっこみました(笑)。お許しください。何が言いたかったのかと言えば、皆さんにも「私の知らない、地球の半分」はあるのだから、皆に好かれるなんて不可能だから追い求めなくて良いし、嫌われてもくじけなくて良いんじゃない?ということでした。下のリンクで紹介する紗江子さんも、「私の知らない、地球の半分」の存在をご存知なのかな~?そんな風に思ったのです。

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