ファッション

ロンハーマンが満を持してECを始めるワケ 名物バイヤー根岸ウィメンズディレクターに直撃

 日本上陸から11年、これまで“実店舗主義”を貫いてきた人気スペシャリティストア、ロンハーマン(RON HERMAN)が5月28日にオンラインストアをオープンする。「ECをすれば必ず売れると分かっている。でもやらない」――以前、根岸由香里事業部長兼ウィメンズディレクターの言葉が印象的に残っている。今回なぜ、ECを始めるに至ったのか。

 オンラインストアの立ち上げは新型コロナウイルスの感染拡大が原因ではない。「実は約1年前から今年の8月末を目指してオンラインストアオープンに向けて準備していた。昨年10周年を迎え、この先の10年、そしてもっと先の未来を考えたときに、私たちらしく進化していくために必要だと考えた。どんどんテクノロジーが進化していく中では、実際に体験したい、触れたいという店でしか得られない“特別な体験”と、“利便性”を今まで以上に上手に使い分ける時代がやってくるだろうと話をしていた」と明かす。

 ロンハーマンを運営するサザビーリーグは2019年2月、米ロサンゼルスロン・ハーマン社から事業を譲り受けた。ロサンゼルス・メルローズで40年以上も続く人気店だ。「この出来事によってさらに大きな視野を持つようになった。この先の未来に店を進化させながら守るためには、私たち自身が大切なものを崩さずしなやかに進化する必要があると感じた。いい進化とは大切な人やことを守り、強くしていくことだと思う」と語る。

 オンラインを始めると決める段階で、さまざまなセクションのスタッフにヒアリングをし、話し合いを重ねに重ねたという。「どうしたらロンハーマンらしく、大切なものを崩さずできるか?どんなことをしたいか?お客さまはどんなオンラインストアだったら喜んでくださるか?――たくさんの疑問や質問を徹底的に話し合い、皆が納得した段階で動き出した」。

 ロンハーマンは一貫した“実店舗主義”で売り上げを伸ばしてきた。「店での体験・経験を何よりも重視してきたし、そこは変わらない。直接のご来店でしか得られない特別な体験や経験を提供することが私たちの根幹にある」と語る。

 そうした中、オンラインストアをつくる上で大切にしたのは、「“温度のあるECにしよう”ということ。ただ便利なだけでは意味がない。便利で快適で、機械的じゃない温度を感じられること――つくっている、関わっている人の情熱や思いが伝わるようなECにしたい。カスタマーサービスの強化やオンライン上でのコンテンツなど、大切な部分には惜しみなく手間をかける。そしてECがあるからこそ店舗との連動企画でもっと面白いことができたり、クリエイティブな部分の面白さも進化するはず」と意欲的だ。

 5月28日には、8月末のオープンに向けて動いていた内容の50%の機能でスタートする。「今は何よりも少しでも早く、“今の世の中で安心してお買い物ができる場所”をつくることが先決と判断した」。開設後は段階的にバージョンアップしていく計画だ。

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