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帰ってきたメンズコレドタバタ日記Vol.11 どちらも簡単には着られない!? 「オム プリュス」から「ダブレット」まで怒涛の展示会レポート

 ランウエイショーは昨日で終了したけれど、パリメンズはまだ終わらず。今日は展示会回りの1日です。ショーで見たアレ、気づかなかったソレ、まだ見ぬコレを探しに、さぁ、出張最終日のスタートです。

11:15 コム デ ギャルソン

 “ギャルソン・デー”に拝見した「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」と、「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」、それに「コム デ ギャルソン・シャツ(COMME DES GARCONS SHIRTS)」の展示会へ。ファンならむせび泣くほど、ギャルソンの洋服が並んだパリ本社に伺います。

 「オム プリュス」は、“カラー・レジスタンス”がキーワード。川久保玲さんが気になっているのは、「Tシャツやフーディなど世の中が、着るのに簡単な洋服で溢れていること」。色はもちろん、雑多な素材を組み合わせることで、この流れに抗おうと試みました。序盤のカラージャケットはもちろん、ジャケットの上にケープ、レザーブルゾンの下にマントのような(フェイク)レイヤードスタイルが、そんな気持ちを代弁しています。ということは、ここに並んでいるのは「簡単には着られない洋服」?じゃあ早速、着てみましょう。この1着は、トレンチコートの下でサスペンダーのようなベルトを交差させ、つながっているスカートはベルトをギュッと絞って着こなすコート。慣れないと1人では着られません(笑)。正直重たいし、畳むのも面倒臭そう。Tシャツやフーディーとは、真逆の洋服です。「そんなに苦しい思いまでして着たくないよ」とか「高いのに、着回しづらいよ」と思う人もいるでしょう。でも、そこにあえて切り込んできたのが「オム プリュス」。大変だけど、身に纏えば、圧倒的な力を手に入れられるのは間違いありません。そして、「ちゃんとした服を着る」は「オム プリュス」のみならず今シーズン、数多のブランドが挑んだ2020-21年秋冬の最大のテーマ。細身のスーツが増えたのは、その証です。「オム プリュス」は時流にのっている、いや、時流を生み出しているのです。

 ちなみに、ちょっと炎上しているコーンローのヘアスタイルについては、スフィンクスを模したものだそうです。騒がれているような意図はなかったワケですね。「ジュンヤ マン」は、レトロなユニフォームをクラシックな作業服と組み合わせて「ジュンヤ マン」らしく。特に「フェラーリ(FERRARI)」や「ブレンボ(BREMBO)」など、イタリアの車と、車にまつわる部品メーカーとコラボレーションして、カーレースのピットクルーのような作業着を作成。各メーカーにOKをもらってから解体し、レトロなユニフォーム、つまりメンズのジャケットやコートなどとハイブリッドしました。なかなかの手間でございます(笑)。

 そして「コム デ ギャルソン・シャツ」では、「アシックス(ASICS)」の“ゲルライト”とコラボレーション。今季のマイベストは「ギャルソン・シャツ」。このヒラヒラシャツを手に入れたいと思います(笑)。

12:30 アルケミスト→レディ メイド→セントマイケル

 この後は、仲良しPRに案内していただき、正直、僕が不得意な世界、音楽やカルチャーと密接に関わるストリートの世界を覗いてみました。まずは、「アルケミスト(ALCHEMIST)」。「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」などのポップアップを開いてきたマイアミのセレクトショップによるブランドは、音楽や建築とリンクしています。2020-21年秋冬コレクションは、世界の悪そうなカンジが大集合。スカルなんて当たり前、刺青風、南米「死者のお祭り」風、どこかのギャング風(笑)など、全身コーディネイトはなかなかコワく仕上がっています(笑)。でもフーディは、肉厚の生地にプリントを重ねたのちにブリーチ。それに1着ずつダメージ加工など、こだわっています。刺しゅうも、えげつないのです。

 お次は、日本代表の「レディ メイド(READY MADE)」。細川雄太さんとは入れ違いになってしまいましたが(残念!でも、帰りの空港でバッタリでしたw)、今季もあるよ、バンダナシリーズ!!状態の良いバンダナを見つけるのは年を追うごとに大変になるでしょうから(しかも最近は、いろんなブランドが真似をしようしているせいか、古バンダナの争奪戦が勃発中とのこと!!)、「コレは、いつまでみられるのだろう?」なんて考えてしまいます。僕のお気に入りは、コレでした。

 そして最後は、そんな細川さんがアーティストのカリ・ソーンヒル・デウィット(Cali Thornhill Dewitt)とコラボして立ち上げた「セントマイケル(ST. MICHAEL)。

 この記事で、立ち上げを匂わせていたヤツです。記事では「古着にインスパイア」とおっしゃっているけれど、マジでほぼ古着(笑)!加工がスゴくて、古着じゃないとは思えません。でも生地の肉厚感とかは、確かにとても今っぽい。そうか、やっぱり新品なのか(笑)。お気に入りは、コイツ。お値段は、「レディ メイド」に比べると“安心”ってカンジです。

13:30 KING-MASAさんとゴハン


 仲良しPRに紹介していただき、KING-MASAさんとクスクスランチ。時間がなくて30分で失礼してしまいましたが、今の業界に対する想いなど、共感することしきりです。それは1月22日に配信した「エディターズレター」につづりましたので、よろしければご覧ください。まだ申し込んでいないアナタは、さぁ、ここをクリック!週に3回、僕からお手紙が届きます(笑)。

14:15 カラー

 お次は大好きな「カラー(KOLOR)」。阿部潤一さんらしい切り返し満載の洋服ですが、今シーズンは「シンプル」だそう。いや、実際は「シンプル」じゃないけれど(笑)、今季は切り返しが自然と言えば良いでしょうか?

 例えばこのアウター。パターンはスーパー複雑で、「バラクーダ(BARACUTA)」の“g9”風ブルゾンにデニム、ナイロンパーカ、しかもそれぞれ生地をバイアスに断つなどテクニック満載ですが、そのこだわりを“押し付けない”カンジです。1年前、半年前の「すご~い!!」という洋服も良いのですが、今回も素敵ですね!!シルエットは、総じてオーバーサイズ。僕は、直営を含めて6店舗限定販売の予定という、コチラ、手に入れたいと思います。

14:45 キディル

 さぁ、お次は東京生まれのパンク野郎「キディル(KIDILL)」です。

 「キディル」のプレゼンは、パリメンズ初日僕は「グッチ(GUCCI)」を見終わった後、まさに飛行機でミラノからパリに移動中だったため、拝見することができませんでした(残念!!)。ということで、展示会でじっくり。ファスナーを外すとどんどん巨大になるタータンチェックのブルゾンとか、ベルベットに「極楽」とか「諸行無常」の文字を刺しゅうしたスイングトップ、カミソリが無数に垂れ下がったGジャンなどイロイロで、そのうち数着については末安(弘明)さん、「いや、ベーシックです」とか言うのですが(どこが!?)、いずれもインパクト絶大。「キディル」は、コレかな~と思っています。

15:20 ビズビム

 さらに「ビズビム(VISVIM)」。今季はモンゴルの民族衣装にインスピレーションを得たような、ラップコートが気になります。ゴートファーのスゴいやつは、もはやチンギス・ハーン。お値段はいかほどかしら!?日本の展示会で確認しましょう(笑)。

16:00 ターク

 さらにさらに「ターク(TAAKK)」。こちらのプレゼンテーションも、時間の関係で伺うことができませんでした。悲しき、です。プレゼンを見た後輩オーツカからは、「大人になりました」と教えてもらっていましたが、確かに!!荒っぽくない!!スマートなジャケットや、艶っぽいシャツ、ベルベットのトレンチなどが並んでいます。ど~したの!?と思ったら、森川(拓野)さん、「このジャケットは、“外せるジャケット”で~」と、相変わらずネーミングは再考の余地アリな商品名(のアダ名)を連発して、笑えるアイデアを披露してくれます。“外せるジャケット”は、留め金を外していくと、ラペルとライナーがジャケットから分かれちゃう仕組み(笑)。ラペル&ライナーだけの着用もOKだし、コートとレイヤードすればジャケットを着ているかのように振る舞えます。暖冬にぴったりです。エレガントなチェックシャツは“何かありそうなチェックシャツ”、ベルベットかと思ったコートはデニムにフロッキープリント。このブランドも、笑えるハッピーなアイデアが盛りだくさんです。

16:45 ダブレット

 さぁ、「笑えるハッピー」のメインディッシュとして、こちらの“ファミレス”に出かけましょう。「ダブレッド(DOUBLET)」です。ショールームを訪れると、井野(将之)さんがコックさん姿で出迎えてくれました(笑)。メニューを見て、コーヒーを頼んで、試着大会スタートです(笑)。相変わらずイロイロありまして、例えば“お守りネックレス”は、「打舞列島(ダブレット)」とか「紛失防止」とか芸が細かい!!カツラ風のベレーは、深めのタイプをオススメします(笑)。ショーで気になっていた「アマゾン(AMAZON)」のダンボール風トレンチコートは、豚の革をプリーツして作ったものなんだって!お値段は、なんと58万円!!58万円のコートが、ダンボールを纏っているように見える。ギリギリです(笑)。でも、「世界は1つ」という願いを込めたコレクションは、ひっくり返すとムエタイローブに早変わりのチャイナ服とか、右の身頃と左の身頃に別々の都市の風景を描いたシャツなど、誰もが共感する“願い”もしっかり込められています。僕のお気に入りは、このプラモデルニット。セーターにビーニーもマフラーも手袋もぜ~んぶくっついていて、まさに「防寒具も1つ」なのです。でもコレ、コートは着れないね(笑)。

 ということで、後半は爆笑に次ぐ大爆笑!!笑顔で帰国できそうです。