2018年、数多くの路面店や商業施設がオープンする一方で、街の象徴であった店舗や商業施設が閉店している。都内一等地からは「H&M」の日本1号店である銀座店や「ウィゴー」の代名詞であった原宿本店などが撤退した。また、地方では郊外にマイホームを持ち始めた団塊世代をターゲットにしていた百貨店が次々と歴史に幕を閉じている。2018年閉店した、あるいは閉店を発表した商業施設や路面店などから企業動向を振り返る。
【一等地からの撤退】
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「H&M」が銀座店を閉店 5000人が行列した日本1号店、ファストファッション・ブームの震源地
・10年契約を更新せず
・デジタルストアとして再出店も構想中
・店舗の多様化で出店スピード加速へ
ラオックス銀座本店が閉店 跡地は「リモワ」か
・賃貸契約の契約満了に伴う撤退
・インバウンド爆買いの中心地
・近隣の「銀座EXITMELSA」に統合
「ウィゴー」原宿本店が閉店へ
・5月6日に公式ツイッターで発表
・店舗前道路の拡張工事のため
・7日から閉店セールを開始
原宿の大中が3月末に閉店 創業46年の歴史に幕
・2月17日からセールを開始
・原宿店は37年前に誕生
・オリエンタルな雑貨や“パンダ”グッズなどが人気
青山ブックセンター六本木店、最終営業日に別れを惜しむ大勢の人
・通常の4〜5倍の集客
・閉店時刻過ぎてもレジに長蛇の列
東京・品川の原美術館が2020年12月末で閉館 今後は活動拠点を群馬の別館に集約
・建物の老朽化のため
・バリアフリーの観点からも問題があると判断
・別館の名称を21年から“原美術館ARC”に変更
【地方百貨店の閉店相次ぐ】
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伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、新潟三越の閉店を決定
・恒常的な赤字に歯止めかからず
・特にベッドタウン立地の閉店ドミノ続く
・都心の基幹店に経営資源を集中
大丸松坂屋百貨店 大丸山科店を閉店
・2019年3月末で閉鎖
・食品が中心
・18年2月期の総額売上高は37億7400万円
三越伊勢丹グループの「新潟アルタ」が19年3月末に閉鎖
・15年3月期から営業赤字
・地区内の競争激化や、EC・郊外SCの台頭が影響
・今後はミーツやフード&タイム事業を強化
北九州の百貨店、井筒屋が3店閉鎖を発表
・黒崎店、コレット、宇部店の営業を終了
・経営資源を旗艦の小倉本店に集中
・34億円の特別損失を計上する予定
丸井今井札幌本店が南館を閉鎖
・家具・インテリア売り場やジュンク堂書店が入る
・南館撤退後は3館体制に
・同社は近くで札幌三越も運営
伊勢丹松戸店が43年の歴史に幕 雨の中で「別れの歌」
・悪天候でも別れを惜しむ地元客が殺到
・閉店後も小規模な拠点は残す計画
・千葉県の百貨店は過去2年で半減
西武船橋店が50年の歴史に幕 別れを惜しむ人が殺到
・前年同日の5倍の来店者
・閉店セレモニーは行わず
・西武小田原店もこの日に閉店
【ブランド休止やEC移行に伴う閉店】
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バロックの「ペギーラナ」が全店クローズ EC業態に移行
・17年春に2度目のリブランディング
・8月28日に最終店舗を閉店
・秋冬から自社&他社のECで販売
アングローバルショップが全19店舗を閉店 一部店舗跡地に「アンシェヌマン」が入店
・アングローバルのセレクトショップ
・8月末までに現在構える19店舗を閉店
・一部店舗跡地にTSI傘下の「アンシェヌマン」
アニヤ・ハインドマーチが業績不振で小売り戦略見直し イギリスと日本の8店舗を閉鎖
・税引前損失は前年度の倍以上
・英老舗百貨店ハーヴェイ・ ニコルズの店舗も閉鎖
・体験型イベントで業績回復を図る
資生堂「ディシラ」が2019年11月末にブランド終了 静岡県にあるアンテナショップも閉店
・スキンケアやメイクなど6カテゴリーを展開
・グループの市場見直しが理由
・アンテナショップは18年9月26日に閉店
「サロン ド バルコニー」がブランド休止を発表 1月に閉店
・2013年からマッシュスタイルラボ傘下
・デザイナー野口アヤの退任による
・店舗は1月28日に閉店
「フレッド シーガル」神戸店閉店 オープンからわずか1年半
・23日に閉店
・旧居留地に立地
・残るは代官山店