イオンモールは12日、大阪の商業施設「心斎橋オーパ」を閉館した。1990年代には「関西のギャルファッションの聖地」と呼ばれた名所が、31年の歴史に幕を閉じた。
最終日は閉店時間を早め、19時から正面入り口で閉店セレモニーが開催された。はじめに1階に西日本最大級のストア「マーク ジェイコブス」を出店しているマークジェイコブスジャパンのリチャード・グスタフソン社長が流暢な日本語であいさつした。「一期一会の言葉があるように、心斎橋オーパには初めてのデートや成人式で仲間と訪れたり、特別なメモリーがあると思います。皆さんのハートの中で生き続けてほしい」と述べた。
続けて大宝寺西之丁振興町会の奥野良夫会長は「私もこの地で商いを続けて40年、心斎橋オーパと一緒に成長してきた。最後の姿を目に焼き付けたい」と別れを惜しむ気持ちを込めた。
最後に心斎橋オーパの柴田賢一ゼネラルマネージャーが「このたび31年の歴史に幕を下ろすことになりました。ミナミのランドマークとしてこんなにお客さまに愛された商業施設は他にないと思います。従業員一同、感謝申し上げます」と大勢のスタッフとともに頭を下げ、館内の電気が消灯した。スマホで最後の姿をとどめようと撮影する数百人の客が別れを惜しんだ。
「東のマルキュー、西のオーパ」と呼ばれていた
心斎橋オーパは大阪・ミナミを代表するファッションビルとして1994年に本館、98年にきれい館がオープンした。売り場面積は約1万3600平方メートル。御堂筋沿いに立地し、大阪メトロ御堂筋線・長堀鶴見緑地線心斎橋駅に地下通路で直結するアクセスの良さもあり一世を風靡した。ギャル文化が盛り上がっていた2005年~08年ごろのピーク時には現在の倍以上の100ブランド以上が出店。元日の初売りには長蛇の列をなし、約6000個の福袋が完売するなど「東のマルキュー(渋谷109)、西のオーパ」として関西のファッション発信地として名を馳せた。
10代から20代前半の女性を中心にギャル文化の聖地として支持されていたが、「HMV心斎橋」(2018年に書籍と音楽を融合させた複合業態「HMV&BOOKS SHINSAIBASHI」として再出店)や、地下2階のフードコート(店舗面積は約1324平方メートル、席数は303席)などファミリーや男性の利用も多かった。
閉店のカウントダウンイベントとして、昨年10月4日から本館2階特設会場で「青春とともに心斎橋オーパ31年の軌跡」と銘打ち、オーパの歴史やファッション史など、31年間の歩みを当時の懐かしいポスターやグッズとともに展示していた。また12月26日から本館7階特設会場にて関西初出店で絶大な人気を誇っていた「エゴイスト」など20以上のブランドが期間限定で出店した。
子供を連れた女性は「『待ち合わせはオーパ前!』が合言葉でした。オーパで新しい服を買ってご飯を食べて学生時代を過ごしました」と青春時代を振り返った。
所有者であるユナイテッド・アーバン投資法人(UUR)は、約431億円で本館を売却する契約を締結したと発表。26年6月から2029年5月にかけて段階的に売却することが決まっているが、閉館後の計画は現時点で発表されていない。