MTGは26日、自動車部品大手アイシンとパートナーシップ契約を締結したと発表した。同社の水分テクノロジー「ハイドレイド」を活用し、美容ブランド「リファ(REFA)」で展開する業務用機器 “リファハイドレイド”を共同開発した。美容サロン向けの従量課金制ビジネスモデル「スマートプラン」を通じて4月1日から出荷する。サロンは貸与機器の使用料に応じて料金を支払う。
松下剛MTG社長は、「全国約25万店舗ある美容サロンのうち約5万店舗と契約している。“リファハイドレイド”はまず1万台規模の導入を目指す」と述べた。
浸透促進機市場に新技術
“リファハイドレイド”は浸透促進機で、従来のスチーム機より微細な水分粒子が毛髪のキューティクルの隙間から内部に入り込みコルテックスまで作用する。①カラー剤の色持ち向上、②トリートメントの手触り向上、③縮毛矯正が柔らかく仕上がる、の3点を特徴とする。使用方法は「薬剤の放置時間中に当てるだけ」とし、放置時間を仕上がり価値につなげる提案を打ち出した。空気中の水分を利用するため給水不要で、「コンセントに挿してすぐ使用できる設計」としている。
「スマートプラン」は2024年8月に開始したサロン向け事業で、機器を無償貸与し、施術売り上げの一部を受け取るモデルだ。サロンは初期投資なしで高機能機器を導入できる。第1弾製品として、毛髪や頭皮の汚れを洗浄する“リファ ウルトラファインバブル ヴィーナ”を展開し、導入を拡大してきた。田岸弘幸スマートプラン事業本部長は「同事業を進める中で、サロンからヘアカラーやトリートメントの質向上への要望が挙がっていた。浸透促進機は約30年、目立った技術革新が少なく、新しい技術を探していた。既に一部サロンで“リファハイドレイド”を導入しており、体験した顧客の8割が継続利用している」と説明した。
アイシンは新規事業を強化
アイシンの水分テクノロジー「ハイドレイド」は、空気中の水分子を集め、ナノレベルの微細粒子として放出する。従来のスチーム粒子と比べ「1000分の1以下」の水粒子を生成し、髪内部まで浸透しやすく、留まりやすいという特徴を持つ。同社は、自動車分野で用いる触媒用メタルハニカム技術に独自膜技術を組み合わせ、冷却と加熱の繰り返しで無給水のまま約1ナノメートルの微細粒子を安定的に放出できる仕組みを構築したと説明した。
七原弘晃アイシン執行役員は、美容領域参入の背景について「自動車部品で培った技術を生かし新規事業を強化する。その柱の一つがハイドレイドだ。技術を追求する中で、健康や美容に価値を提供できる確信に至った。二社の強みを掛け合わせ、新たな市場価値創出を目指す」と語った。
MTGの松下社長は、「リファ」の足元の状況にも言及。昨年12月に旗艦店「リファ」銀座をオープン後、約3カ月で来場者が10万人を突破し、訪日客は110カ国に広がったと説明。「リファ」の成長率は20年以降、年平均33%増で推移。直近の25年9月期の売上高は前期比42%増の728億円を記録したと述べ、国内外で認知が拡大しているとした。