伊勢丹新宿本店2階の「イセタン・ザ・スペース」で4月9日、アートイベント「イデム パリ 夢の工房/Dreaming Factory」展が開幕した。今回の展示は、パリ・モンパルナスに拠点を構える伝説的な版画工房「イデム パリ」と、併設するギャラリー「イデム エディション」によるものだ。
「イデム パリ」(以下、イデム)は1881年、地図印刷業者エミール・デュフレノワが創業。アンリ・マティス(Henri Matisse)、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)、ジョアン・ミロ(Joan Miró)、マルク・シャガール(Marc Chagall)といった20世紀美術の巨匠たちのリトグラフを手掛け、伝統を今日まで守り続けている。近年では、ポール・マッカーシー(Paul McCarthy)やレイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)をはじめとする多くの現代アーティストが制作する場となっている。
今回の展示では、アーティストのジャン・ジュリアン(Jean Jullien)やジャン・フィリップ・デローム(Jean Philippe Delhomme)をはじめ、デザイナーの皆川明や映画監督の安藤桃子ら10人が手掛けた作品34点を展示販売する。価格は30万〜80万円程度。
アーティスト同士が影響し合うクリエイションの源泉
内覧会で「イデム」のオーナーであるパトリス・フォレストは、「『イデム』は、今も昔もアーティストたちがインスピレーションを与え合うマジカルな場所。日本でこのような展覧会を開くことができてうれしい」とコメント。パリを訪れる際にイデムで制作するという皆川は、「『イデム』には制作意欲を刺激する独特の空気感があり、アーティストを支援するフランスの豊かな土壌を感じる」と話した。
「イデム」の展覧会が日本で開催されるのは約10年ぶりで、この規模の展示は初めてだという。同展をキュレーションした伊勢丹新宿本店の担当者は、「『イデム』で制作できることはアーティストにとって名誉なこと。館を訪れるファッション感度の高いお客さまに好まれるような作品をそろえているので、ぜひ立ち寄ってほしい」と語った。会期は5月6日まで。
2020年にスタートした「イセタン・ザ・スペース」は、“タイムレス”“ジェンダーレス”“カテゴリーレス”を掲げ、月替わりでさまざまな展示販売を行う。アーティストのトム・サックス(Tom Sachs)のイベントや、「シーエフシーエル(CFCL)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」といったファッションブランドとのコラボレーションなど、ジャンルを超えたテーマで来館の動機を提供する場になっている。