ファッション
連載 ファッション&ビューティパトロール 第117回

2月から相次いで展覧会を開催 アーティストのドナルド・ジャッドを通してミニマルアートを知る

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伊勢丹新宿本店 本館の「イセタン ザ・スペース(ISETAN THE SPACE)」では2月7日に「ミニマリズム」の旗手、ドナルド・ジャッド(Donald Judd)の展覧会が始まった。15日には外苑前のワタリウム美術館でも同アーティストの回顧展がスタートする。「ミニマル」と聞くと、つい“少ない”“そぎ落とす”といったイメージが先に立つが、ジャッドの考えはもう少しややこしい。ミニマル・アートって、結局なに?そんな素朴な疑問から、ジャッドの残した偉大な足跡をたどる。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月9日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

ドナルド・ジャッドとは?

ドナルド・ジャッド(1928–94)は、米ミズーリ州出身のアーティスト。20世紀後半の美術を決定づけた“ミニマリズム”の中心的存在。主に立体作品を扱うアーティストとして知られる一方で、批評家、理論家、教育者、さらには建築や家具デザインにまで活動を広げた。ジャッドの功績は、単に「形をそぎ落とした造形」を生み出したことではなく、作品、空間、鑑賞者の関係性そのものを再定義し、美術の制度や展示のあり方にまで踏み込んだ点にある。今日も世界中のアーティスト、建築家、デザイナーに影響を与え続けている。主な展示に、ホイットニー美術館(ニューヨーク、1968年、88年)、ファン・アッベ美術館(アイントホーフェン、70年)、カナダ国立美術館(オタワ、75年)、テート・モダン(ロンドン、2004年)、ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク、20年)などがある。

Painting to Specific Objects

絵画から「スペシフィック・オブジェクト」へ

ジャッドは1940年代後半に画家として活動を開始し、57年にニューヨークで開催した個展では表現主義的な絵画作品を発表している。しかし50年代後半から、次第にヨーロッパから受け継がれてきた伝統的な絵画や彫刻作品が前提とする常識や制約を問題視するようになる(例えば、絵画は二次元の平面に画像を配置しなければならない、という前提など)。この問題意識の探究が結実したのが、64年に執筆した論考「スペシフィック・オブジェクツ」だ。ジャッドは当時のニューヨークで頭角を表していたアーティストのダン・フレーヴィン(Dan Flavin)やジョン・チェンバレン(John Chamberlain)の作品に触れつつ、絵画でも彫刻でもない、新しい三次元的作品を提唱。作品は何かを表象するものではなく、「それ自体として存在するもの」であるべきだと主張した。

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