ファッション

ジョナサンによる“ディオール ボウ”制作の舞台裏 メゾンの新たなバッグ戦略とは

ディオール(DIOR)」は1月2日、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=クリエイティブ・ディレクターによる新作バッグを発売した。中でも注目は、ジョナサンによる新モデル“ディオール ボウ(Dior Bow)”と、彼によりモダンに再解釈されたメゾンのアイコン“レディ ディオール(Lady Dior)”だ。歴史あるメゾンコードを引用しながら、ジョナサンらしいユーモアを織り込んだ象徴的なデザインが目を引く。

デビューとなった2026年春夏コレクション発表前、ジョナサンは「ディオール」のアクセサリーについて、「若々しくて、カジュアル。少し楽しいものをつくりたかった」と語っていた。同日に発売した“ディオール ブックトート(Dior Book Tote)”の新シリーズ“ブック カバーズ(Book Covers)”もその1つ。ブラム・ストーカー(Bram Stoker)の「ドラキュラ」など19〜20世紀の初版本の表紙を刺しゅうで大胆にデザインしたトートバッグは、デビューショー発表後すぐにセレブのイットバッグとなり、瞬く間に注目を集めた。

またジョナサンは、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼最高経営責任者とともに、技術構築と素材革新を通してバッグを含むアクセサリーカテゴリーを強化していく考えも明かしている。「時間はかかるだろうが、すばらしい技術をレザーに取り入れられることができれば、新しいステージに到達できるだろう。一つひとつ成長していく」。

リボンを受け継ぐ新アイコン“ディオール ボウ”

新生「ディオール」の新たな“顔”となるのが、ジョナサンが製作したショルダーバッグ“ディオール ボウ”だ。メゾンコードにもあるリボンを着想源に、ふっくらとしたフォルムを特徴とした。レザーのカットからリボンのシルエットの成形まで、専属の職人がていねいに作業し、なめらかなテクスチャーのラムスキンでやわらかな曲線を描く。

取り外し可能なチェーンストラップは、メタル製の輪とリボンを組み合わせ、遊び心をプラス。スモールとミディアムの2サイズで、どちらもクラッチバッグとして持つこともできる。

アーカイブドレスに着想した“レディ ディオール”

“レディ ディオール”からは、2種類のモチーフをつかった“レディ ディオール クローバー(Lady Dior Clover)”と“レディ ディオール バターカップ(Lady Dior Buttercup)”が登場。構築的なボディーに曲線のハンドル、「D」「I」「O」「R」のチャームを特徴とする“レディ ディオール”に、サヴォアフェールの新しい技術により、アイコンを再定義した。メゾンのラッキーモチーフを使ったジョナサンらしいユーモアが漂う。

“クローバー”のボディーに立体的にちりばめられたのは、四つ葉のクローバー。創業デザイナー、クリスチャン・ディオールが幸運のお守りや魔法の力として大事にしていたモチーフであり、“四つ葉のクローバー(The Trefle a Quatre Feuilles)”と名付けたドレスも発表したほど、「ディオール」に欠かせないシンボルでもある。小さな赤いテントウムシをアクセントにあしらった。

鮮やかなイエローの“バターカップ”は、日本ではキンポウゲの名前で知られるバターカップの黄色い花々が咲き誇るように配されている。その中にはムッシュが長年愛用するエンブレムの一つ、ハチをポイントにつけ、花から花粉を集める様子が表現されている。

“クローバー”も“バターカップ”もモチーフを一つひとつ、イタリアの工房で職人が手作業で縫い合わせたもの。オートクチュールとしてムッシュが発表した“四つ葉のクローバー”のドレスと同じく、ムッシュとジョナサンの思いがデザインに込められている。

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