ファッション

ライオンと「ファブリックトーキョー」が協働 “洗うことから逆算した”スーツを発売

オーダーメードビジネスウエアブランド「ファブリックトーキョー(FABRIC TOKYO)」は26日、ライオンと協働して「洗うことから逆算したスーツ」をコンセプトとする男女向けの“洗える”スーツを発売した。主力の“オーダーセットアップ”が4万9800円〜。「ファブリックトーキョー」の公式ECサイトで取り扱い、スーツ需要が拡大する2〜4月の商戦期の需要獲得を狙う。両企業の調査によると、ビジネスウエア業界において洗剤ブランドとの共同開発をかなえた事例は初めて。

発売する“ナノックス パブリック トーキョー スピードウォッシュ ワン”の製品名には、“スピード”には時短、“ウォッシュ”には洗える、“ワン”には、ケアの楽さ、すすぎ1回、ワンチームといった意味を込めた。弱水流などの特殊なコースに頼らず、通常コースで洗うことを前提に設計。色褪せを防ぎつつ汚れや匂いを落とす「ナノックス ワン(NANOX ONE)」を使用することで、洗濯による型崩れや色褪せを抑えることができ、「衣類の長寿命化への貢献」を目指す。

ラインアップは、“オーダーセットアップ” (4万9800円〜)、“ビジネスカジュアルジャケット”(3万円〜)、“ビジネスカジュアルパンツ”(1万9800円〜)、“ウィメンズパンツスーツ”(4万9800円〜)、“ウィメンズスカートスーツ”(5万1800円〜)、“ウィメンズスカートスーツ(ロング)”(5万7300円〜)、“ウィメンズジャケット”(3万5800円〜)、“ウィメンズパンツ”(1万8000円〜)、“ウィメンズひざ丈スカート”(2万円〜)、“ウィメンズロングスカート”(2万5500円〜)。ブルーグレー、ネイビー、ダークブラウンの3色を展開する。素材は、ポリエステル92%、ポリウレタン8%のジャージ素材を採用した。

同取り組みの起点は、ライオンが2024年4月から実施している「choose one project(チューズ ワン プロジェクト)」だ。「服に、地球に、ちょっといいセンタクを。」をコンセプトに、洗濯時にすすぎ1回を選ぶことと、衣類の長持ちに寄与する「ナノックス ワン」ブランドを選ぶことを推奨する啓発活動を実施。洗濯機のすすぎ設定を変えるだけで、節電、節水、CO2削減、時短、衣類の長持ちにつながる点を訴求してきた。

「ファブリックトーキョー」が同プロジェクトに共鳴し、キャンペーンなどで協働を継続する中で、「より深い取り組みとして消費者行動を変える提案ができないか」と今回のコラボレーションが始動。約2年を経て発売に至った。

“洗えない”ウォッシャブルスーツの実態

「ファブリックトーキョー」によると、スーツ市場の勢いは落ち着いているが、オーダーメードスーツに限ると市場は伸長しているという。コロナ後の外出機会の増加や、「自分に似合って長く着用できる1着を求める」生活者の行動変化が貢献する。また、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアル市場の拡大、長引く酷暑などの影響により、機能性に対するニーズは年々高まっている。「ファブリックトーキョー」では年間販売着数の約8割が洗える仕様のスーツで占め、特に6月は9割近くにも達するという。

一方で、ライオンの調査によると、ウォッシャブルスーツをうたう製品でも、実際には約6割の所有者がクリーニングに出している実態があるという。また、「本当に洗えるのか」「縮み・型崩れしないか」「色褪せしないか」「干し方が不安」といった心理的ハードルから、匂いや汚れが気になっても着続ける人が多い点が課題として挙げられた。

“ナノックス パブリック トーキョー スピードウォッシュ ワン”は、ライオン研究所で洗濯テストの検証を繰り返し、30回洗濯しても新品級の評価を獲得。生地は、滑らかな糸や毛羽立ちが立ちにくい織り方を採用し、耐久性と見栄えの両立を図った。また、洗濯ガイドをプリントした専用洗濯ネットを付属し、洗濯時の不安低減を図る。

同ブランドのオーダースーツが8000円〜10万円以上のレンジで展開する中、デイリー使いのウォッシャブルスーツとして「比較的手に取りやすい価格」を目指した。なお、今回の発売を記念し、スーツ購入時に「ナノックス ワン」を数量限定でプレゼントする。

シナジーの創出に期待

今回は春夏の需要期に合わせた発売であるが、追加カラーの投入など秋冬の新展開も視野に入れ、今後さらに取り組みを加速させる意向だ。加えて、スーツの洗い方コンテンツやキャンペーンなども展開し、家庭洗いの習慣化を後押しする。

売り上げ目標は開示していないが、「ファブリックトーキョー」の土山純史・戦略責任者は、「これまでのコラボで1番期待ができる。今後も継続して取り組めるような成果を目指す」と意気込む。また、ケアの容易さというフックでオーダーメードというハードルを超えて同ブランドに興味を抱く層の増加を期待する。

一方、ライオンにとっては新たな顧客層のタッチポイントの増加を見込む。“ナノックスファブリックトーキョースピードウォッシュワン”のメインターゲットは30〜40代前半の男性。仕事や子育てに注力し、時短のニーズが高まる年代だと土山・戦略責任者は分析する。ライオンの長池英二・ナノックス・アクロンブランドマネジャーによると、洗剤商材のボリュームゾーンは40〜50代の女性。「普段リーチしない層へのアプローチを期待する」と話す。

ライオンは26年3月、「15分で洗濯が終わる」というコンセプトのもと開発した洗剤を発売する。同社は「choose one project」とこの新製品の掛け合わせで、今後も節水洗濯を中心とした環境問題や働く世代の時間不足といった社会課題への貢献を目指す。

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