「アットコスメ(@COSME)」「ロフト(LOFT)」「アインズ&トルペ(AINZ&TURPE)」の3業態の売り場から、日本の化粧品がいまどのように評価され、選ばれているのかを読み解く。売り場構成や売れ筋の変化を手掛かりに、日本ブランドの現在地を探る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年12月22日&29日合併号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋に加筆しています。無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
アインズ&トルペ
FIRST STORE : 2002
JAPAN STORES : 104 (AS OF DEC. 2025)
日本発プチプラコスメの人気根強い
アインファーマシーズが手がけるコスメティックストア「アインズ&トルペ」では、アジアンコスメの売り上げが伸びている。全国で104店舗(2025年12月時点)を展開する中、売上上位店の一つである新宿東口店は6月、10周年の節目に合わせて売り場を刷新。1階フロアは韓国コスメを軸とした構成に切り替えた。
アインズ&トルペでは韓国コスメの取り扱いを段階的に拡大してきた。「昨年は大きな売上を作ることができた」と振り返るように、一定の成果が出ている。全体に占める韓国コスメの売上構成比は10%未満にとどまるが、店舗によっては20%を超えるケースもあり、特に主要都市の店舗で反応が良い。アジアンコスメ全体で見ると、直近数カ月の売上構成比は大きく伸長している。
背景には、K-POP人気を起点とした韓国コスメ全体への関心の高まりがある。コロナ禍でマスク着用が常態化した時期には、崩れにくさを訴求した「ティルティル(TIRTIR)」のクッションファンデーションがヒット。目元メイクへの需要が高まり、発色や色展開が豊富な韓国ブランドのアイシャドウパレットが支持を集めた。
こうした動きの中で、韓国コスメの売れ筋カテゴリーは直近1〜2年ではベースメイクが中心となっている。「ロムアンド(ROM&ND)」はリップやアイメイクに加えベースメイクも幅広く動いており、「フィー(FWEE)」はトーンアップベースが支持されている。
売り場はSNS起点で動く
売り場では、選ばれるブランドの差が明確になっている。韓国コスメに限らず、支持を集めるブランドには共通点があり、発売前からSNS上で話題を醸成し、期待値を形成できているという。韓国コスメは、販促物や什器が日本の店舗環境に適応し、カラー展開も日本人向けに調整された製品ほど、売り場での存在感を高めている。
Xで話題になった製品は翌日から売上に反映されやすく、バイヤーは日常的にSNSをチェックしながら在庫を確保している。店頭では、スマートフォンで動画を確認しながら商品を試す来店者が多い。インスタグラム(Instagram)のリールやTikTokでの使用感やビフォーアフターの情報が購買判断に影響しているという。
一方、日本ブランドの動きは一様ではない。中価格帯が伸び悩む中、直近3カ月(9〜11月)では「キャンメイク(CANMAKE)」「セザンヌ(CEZANNE)」が前年同期比20%増と、プチプラコスメの伸長が目立つ。売上上位には両ブランドに加えて「エクセル(EXCEL)」が並び、「チャコット(CHACOTT)」も健闘している。一方、昨年人気を集めたアーティスト系ブランドは前年を下回った。トレンドとともに選択肢が年々増える中、特定ブランドを継続的に購入する消費者も変化してきている。
市場から姿を消すブランドが少なくない一方で、この数年、国内メーカーが新たに立ち上げたメイクブランドで明確な成長を遂げた例は限られる。既存のプチプラブランドが存在感を維持する一方、新規ブランドが短期間で浸透するケースは少なくない。だし、機能性を重視したカテゴリーでは国内ブランドへの信頼は根強いという。日焼け止めや制汗シートといった季節需要の高いアイテムでは日本製が選ばれる傾向が続いている。アインズ&トルペでは、常に新鮮さを感じさせる売り場づくりを通じて、次の成長機会を模索する。
TOPICS:
アインズ&トルペ新宿東口店は
韓国コスメ軸にメイクフロア拡大

「アインズ&トルペ」の旗艦店である新宿東口店は、2015年7月にオープンした。地下1階から地上2階までの3フロア構成で、カフェを併設し、若年層の来店も多い。25年に10周年を迎えたことを機に、6月にコスメフロアを中心とした大規模リニューアルを実施した。メイクフロアは従来の約2倍に拡大。1階は韓国コスメをとしたアジアコスメ、2階はスキンケア関連の売り場として再構成した。