百貨店はその総合力を武器に、独自の価値創出に向けた取り組みを深化させている。サブスクリプションから循環型経済、心を動かす接客体験、デジタル強化に至るまで、多様なアプローチで消費者と新たな関係を築き始めている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月21日号からの抜粋です)
CASE 4
PERSONAL SERVICE
阪急阪神百貨店
「似合う」のために寄り添う
顧客との関係づくりの起点
阪急うめだ本店は昨年8月から「ファッションコンサルティングサービス」を開始した。「何を着たら良いか分からない」「自分に本当に似合うものを探したい」といった要望に応えるため、経験豊富なベテラン販売員がじっくりと相談に乗り、スタイリングの提案を行う。有料サービスにもかかわらず、リピーターが多く、セット率も非常に高い。
8階の専用スペース(改装工事のため現在は仮設)には個室が3部屋あり、ここにたくさんの服をそろえて接客する。最も満足度の高い「3Dボディスキャナー計測+スタイリングサービス(約150分、5500円)」を例にとると、予約して来店後、3Dボディースキャナーで体形を計測し、そのデータをもとにスタッフが説明とヒアリングを行う。服装に対する悩みや希望を聞き出した後、阪急うめだ本店の広い売り場の中から複数の服をピックアップして個室で試着してもらう。
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