ファッション

銀座に新名所「ティファニー 」のアジア最大旗艦店がオープン アートをちりばめ日本との絆をたたえた宝石箱

ティファニー(TIFFANY & CO.)」は7月11日、アジア最大の旗艦店「ティファニー 銀座」をオープンした。同店舗はギンザ シックスの向かい、中央通りとあずま通りの角地だ。ニューヨーク5番街の本店の最新デザインコンセプトを反映した同店舗は地下1層、地上4層。ティファニーブルーに彩られた高さ66メートルの建築は、青木淳が手掛けた。波のようなガラスファサードは、ルイス・コンフォート・ティファニー(Louis Comfort Tiffany)が手掛けた藤のランプからインスピレーションをたもので、ショーウインドーは、日本人アーティストである藤村喜美子と協業したアートとジュエリーが融合した詩的で没入感のあるものだ。

長年にわたる日本との絆をたたえた美術館のような空間

「ティファニー」は1837年にニューヨークで創業以来、アメリカを代表するジュエラーとして業界に革新をもたらし続けている。ハリウッド黄金期の映画「ティファニーで朝食を(BREAKFAST AT TIFFANY)」で知られているが、同ブランドにとって日本は、アール・ヌーヴォーの時代からクリエイション源の一つとして重要な存在であり続けている。アーカイブのランプやジュエリーには藤や竹のモチーフが採用され、ブランドを代表するデザイナーのエルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)デザインによる日本に着想を得たジュエリーやオブジェなど、日本の美意識を象徴するクリエイションで時代を彩ってきた。このように、1972年に日本に上陸する以前から「ティファニー」と日本には長く文化的な絆あり、それを体現するのが「ティファニー 銀座」だ。同店のテーマは、“イン・ラブ・ウィズ・ジャパン(日本に恋して)”。ニューヨーク旗艦店に次ぐ品ぞろえをはじめ、アートやアーカイブ作品を散りばめた新しい銀座の新名所が誕生した。

フロアごとにテーマを設けた店内の1〜3階の階段には二の丸庭園の自然を再現したデジタルサイネージが施されている。広くゆったりとした店内には、アート作品やアーカイブ作品が飾られ、まるで美術館のようだ。各フロアに、意匠を凝らしたラグジュアリーなプライベートルームが設置され、店舗内は28のコーナーから構成されている。

店内のデザインは、ピーター・マリノ(Peter Marino)が担当。19世紀後半から続く「ティファニー」と日本との絆をたたえる要素が随所に施されている。また、店内には、ジュリアン・シュナーベル(Julian Schnabel)やダミアン・ハースト(Damien Hirst)、リチャード・プリンス(Richard Prince)、ドナルド・ジャッド(Donald Judd)など世界的なアーティストによる作品を50点以上展示。「ティファニー」のアーカイブから約65点の作品が展示され、その半数は日本初公開だ。

アートやアーカイブが散りばめられた店内は見どころ満載

1階の“ワールド オブ ティファニー”は、イタリア人アーティストのミケランジェロ・ピストレット(Michelangelo Pistoletto)によるティファニー ブルーとミラーで彩られた空間。地下1階は、ダイヤモンドジュエリーの数々そろえる売り場になっている。折り紙をモチーフにした天井が特徴で、「ティファニー」のダイヤモンドの輝きにじっくりと対峙できる落ち着いた空間だ。「ティファニー」ならではのウインドーディスプレーも見どころ。皇居をモチーフにしたウインドーにはブランドを代表する“バード オン ザ クロック”ブローチが輝き、金庫がテーマのウインドーでは、扉の先に伝説的デザイナーのジャン・シュランバージェ(Jean Schlumberger)によるブローチが見え隠れする仕掛けになっている。

2階は、“ティファニー ハードウェア”や“ティファニー ロック”といったアイコニックなジュエリーをそろえるフロア。天井には、ティファニーが支援する「金沢縁付金箔製造」による円形の装飾が施され、壁面にはジェームズ・タレル(James Turrell)のアート作品がひっそりとたたずむ。ウオッチ ギャラリーやペレッティが手掛けたジュエリー&オブジェのコーナーもあり、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)による作品「エルヴィス」が存在感を放っている。

阿部幸子と佐々木元による 銀箔のインスタレーションが施された3階は、ブライダルリングを豊富にラインアップし、多様化するブライダル需要に応える。同フロアにはハイジュエリー サロンも併設。ニューヨークのグランドセントラル駅が着想源の天井が印象的なコーナーでは、シュランバージェが手掛けた作品をはじめ、壮麗なハイジュエリーを多数展示販売する。1点ものが多いハイジュエリーを常設でここまで豊富にそろえるブティックは、他にはないだろう。

4階は“ホーム&アクセサリー”のフロア。シュナーベルが手掛けた金継ぎがテーマのアート作品やジオ・ポンティ(Gio Ponti)がデザインしたビンテージ家具などが置かれている。旗艦店オープンを記念した限定テーブルウエアや同店を象徴する藤の絵柄が施されたテーブルウエアなどをそろえる。また、テラス席を併設した「ブルーボックス カフェ」があり、8月にオープン予定だ。「エテ(Ete)」の庄司夏子シェフ監修によるメニューでブランドの世界観を食でも提供する。

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