“やんちゃ”な少年性で「大胆」を手に入れた「マルニ」に一安心

コラムコレクション・レポート

2018/1/14 (SUN) 10:30

 実質3日となんだか寂しくなってきちゃったミラノメンズですが、それでも(だからこそ!?)個々のブランドは気合いを入れて素晴らしいコレクションを見せてくれています。代表例は、「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」「ヴェルサーチ(VERSACE)」、そして今から紹介する「マルニ(MARNI)」などです。

 メンズが立ち上がって間もない頃から15年来愛し続け、長きにわたり(勝手に)「『マルニ』メンズ普及委員会会長(会員は会長だけw)」を名乗ってきた僕はぶっちゃけ、新クリエイティブ・ディレクターを務めるフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の「マルニ」に“ハラハラ・ドキドキ”でした。デビューとなった2017-18年秋冬メンズは無難にこなしたものの、同じシーズンのウィメンズは正直失敗。18年春夏は底上げ感がありますが、今でも僕は常にドキドキ。「WWDジャパン」編集部の「マルニ」大好き男子による度々の“会合”では、リッソは「やりたいことが多すぎて、ポイントが定まっていない。特に足し算が過剰」という結論に達し、だからこそ、「コレクションの数多あるポイントの幾つかだけをピックアップして、時にちょっぴり薄めるコマーシャルラインの方が得意かも?」なんて話もしていました。ファンの完全なる老婆心(メンズなので「老爺心」?)ってヤツです。

 そして、相変わらずドキドキしながらやってきた18-19年秋冬メンズのランウエイ会場。そこには、古いゴーカートや電気掃除機、人形、古本、鳥カゴなどの“ガラクタ”が座席として散りばめられていました。とっても楽しい!鳥カゴの上にチョコンと座る「ペン」(CCCメディアハウス刊)の安藤貴之・編集長なんか、カワイすぎて思わず写真まで撮っちゃったくらい楽しい!でも、心の中では「これは、今回も足し算だぞ……」なんてドキドキしていたのも事実。そんな“ウキウキ”と“ドキドキ”が交錯する中、18-19年秋冬メンズのショーが始まりました。

 すると、どうでしょう!コレクションは、「空前絶後」「超絶怒涛」(by サンシャイン池崎)の足し算具合。いや、もはや掛け算に近いくらい、いろんな素材、色と柄、そして質感のウエアを、これまでの「マルニ」では異質なオジさんモデルさえ幾重にもレイヤードしてランウエイを歩きます。いや、歩くのみならず、時にはゲストの隣に座って不機嫌そうに休憩したり、演出も自由です。ショーは言うなれば、“てんこ盛り”。リッソらしさ、全開です。

 でも、今回は“てんこ盛り”が、なぜかものすごく魅力的に見えました。なぜでしょう?1つ言えるのは、この“振り切った”感が、「マルニ」メンズらしかったからだと思います。

 皆さんは「マルニ」のメンズって、どう表現しますか?「カワイイ」?「キュート」?「ユーモラス」?僕の場合は、「大胆」です。意外に思うかもしれません。

 でも、「マルニ」のメンズって、前任のコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)時代からずっと「大胆」なんです。時にウィメンズのようにカワイイのは、「大胆」にフェミニンな要素を重ねているから。時にカラフルなのは、「大胆」に色と柄を組み合わせるから。時になんかヘンなのは、「大胆」にメンズのドレスコードに一石を投じるアレンジを加えるから。そう、「マルニ」って、勇敢な側面も持ち合わせているのです。

 そしてリッソの「マルニ」は、少年のように“やんちゃ”になることで、その「大胆」に迫ろうとしています。そして今シーズンは過去2回のメンズに比べても、格段に“やんちゃ”。おじさんモデルも“やんちゃ”。洋服には猿が踊り、「どうして?」っていうチャイナ服まで現れるけれど、だからこそ「大胆」を手に入れ、「マルニ」らしい多面性に到達したんです。

 フィナーレでリッソは、おっきなカメラ(本物じゃないような気がします)のファインダーから会場を除き、2回フラッシュを焚きました。ショーのフィナーレで、遊んじゃうカンジ、やっぱり少年のように“やんちゃ”。リッソが“やんちゃ”な少年のようであり続ければ、大丈夫。「老爺心」を勝手に抱いていた僕にとって、ほっと一安心できたコレクションでした。

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