MERY新社長を直撃 復活の真相と目指すメディア像

新会社インタビュー

2017/10/31 (TUE) 12:00

 小学館とディー・エヌ・エーが共同出資するMERYが11月21日にウェブメディア「メリー」を再開することを発表した。2016年12月の記事転載問題を受けたサイト閉鎖の後、今年8月に小学館とディー・エヌ・エーが共同出資会社MERYを立ち上げ、再スタートに向けて動き始めた。MERY社長に就任した山岸博小学館副社長はかつて「プチセブン(Petit Seven)」や「キャンキャン(CanCam)」で編集長を歴任してきた編集者でもある。「メリー」再開を前に、山岸博MERY社長と江端浩人MERY副社長兼サービス戦略本部本部長を取材した。

WWDジャパン(以下、WWD):まず、ディー・エヌ・エーと共同で新会社を立ち上げるに至った経緯とは?

山岸博MERY社長(以下、山岸):ディー・エヌ・エーとは以前からさまざまなジャンルで話し合いを持つ機会が多くあった。「メリー」閉鎖後、一緒にやりましょうという話になり、少しずつ枠組みが決まっていった。

江端浩人MERY副社長兼サービス戦略本部本部長(以下、江端):4月20日に共同運営を検討するプレスリリースを出したが、その時には会社の設立はまだ決まっていなかった。

WWD:山岸社長の就任はいつ決まったのか。

山岸:8月8日に会社を立ち上げたが、その少し前に決まった。

WWD:会社の設立後はまず、公認ライターの募集を始めたわけだが?

山岸:公認ライターの募集をかけて面接をし、ライターとして勉強をするための機会を与えて一定の理解をしてもらうようにした。その後、原稿を書いてみて原稿や権利関係のチェックを入れ、記事を作成するという編集フローの確立に時間を要した。このフローにライターが慣れるには、まだ少し時間がかかるだろう。

WWD:旧「メリー」では一般ライターを起用していたが、今回も公認ライターを雇う理由とは?

山岸:10〜20代をターゲットにした時、一番フィット感のある身近な情報を掲載することが必要だと感じた。プロの原稿は間違いがなく、読みやすいが、面白みに欠けることもある。SNSに代表されるようにプロとは異なる“温かみのある情報”が求められる時代ではないか。そのため、例えば流行りの言葉はなるべく生かすなど、校閲もあまりに厳しくしすぎないようにしている。

WWD:新会社の社員数はどのくらい?

山岸:公認ライターと呼ばれるアルバイトが約50人、正社員が約50人。合わせておよそ100人前後が関わっている。

WWD:新たな編集部の体制は?

山岸:正社員が20人程度おり、校閲も10数人用意する。小学館からは専任で8人出向しているが、うち5人が元編集長経験者だ。公認ライターとのやりとりを編集部が行い、校閲・画像の権利処理などが完了した記事だけを最終的に公開する仕組みをとる。

WWD:ディー・エヌ・エーのノウハウはどのあたりにあるのか。

山岸:システム開発や管理部門、営業などだ。

WWD:旧「メリー」で発生している事案についてMERYは関与するか。

山岸:その点については、ペロリを含むディー・エヌ・エーが引き続き責任を持って対応していく。

READ MORE 1 / 1 “「量より質。読み応えのある記事を作る」

WWD:新「メリー」のコンセプトは以前と変わらない?

山岸:変わらない。10〜20代の女性がターゲット。ただ、スタートしないことには読者が見えないので、これから様子を見ていきたい。

WWD:新「メリー」にはきちんとした編集部体制ができたが、もはやキュレーションサイトではなく媒体という認識か?

江端:その通り。いわゆる一般投稿型のキュレーションサイトではない。編集部で記事を作成し、適切なフローを経て公開するウェブメディアとなる。

山岸:先に述べたように、あくまでユーザー目線に重きを置きながらも、きちんとした情報を出していく新しいメディアを目指したい。

WWD:新体制では記事の作成には時間もお金もかかると思うが?

山岸:もちろん、記事を量産することはできない。量より質という部分で読み応えのある記事を作っていきたい。

WWD:ローンチ時にはある程度の記事を用意できるのか。

江端:記事の量もさることながら質を重視していきたいと考えている。公認ライターが書いた記事を校閲や権利処理などを経て完成しきってから提供したい。

WWD:今後どのくらいの記事を掲載していく予定か。

山岸:まだまだ準備段階で、見えない部分が大きい。公認ライターも慣れてくればノウハウが溜まってスピードが上がるだろうし、記事量も増えるはず。ただ、まずは質を重要視して、長期的に記事ストックを貯めていけばいいと考えている。

WWD:ビジネスモデルは変わらず広告ビジネス収益か。

山岸:そうなるだろう。ただ、今一番必要なのは信頼だ。読んでくれる読者に信頼感を得てもらうことから始めるべきだと考えているので、その先には広告が入ってくる可能性もあるが、今は広告販売ではなくコンテンツに重きを置きたい。

WWD:ビジネスとしての目標はあるか。

山岸:早急に黒字化などとは考えていない。3〜4年後に目処が立てばいいのではないか。もちろん、ビジネスとしては拡大していきたいので、単なるメディア運営企業としてではなく、これをやりながらも新しいサービスの模索もやっていきたい。ディー・エヌ・エーとはいい関係ができたので、今後も何か新しいことをやっていければいいと思っている。小学館は今年95周年だが、同じようにかなり長期的な会社として考えていきたい。

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