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バイヤーが語る2020年春夏のリアルトレンドVOL.3 ファッションディレクター中島英恵編 「進化形トレンチコートがヒットの予感」

 2020年春夏ウィメンズの買い付けが一段落する時期を迎えている。海外コレクションでは、“ネイチャー”や“セブンティーズ”などの要素がシーズントレンドとして浮上したが、実際に日本の街で広がりそうなスタイリングやアイテムはどんなもの?連載3回目は、阪急うめだ本店の自主編集売り場であるDラボ、Dエディットのアドバイザーや、ECストライプデパートメントのバイイングディレクターを務めるファッションディレクター、中島英恵に聞いた。

WWD:2020年春夏の海外コレクションではどういった傾向やスタイルに注目したか。

中島英恵(以下、中島):全体的にエレガントになっています。ナチュラルムードのリラックススタイルが広がりましたが、エフォートレス(肩の力の抜けた雰囲気)というのではなく、あくまでエレガントで女性らしいのが来春夏の傾向です。「ジル サンダー(JIL SANDER)」「クロエ(CHLOE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」などがナチュラルなエレガンスの代表格。色は白が基調となりますが、小花柄などは地をダークトーンにすることで甘さや子どもっぽさを抑えています。ナチュラルと共にもう一つ気になったのが、1970年代のムード。フレンチシックを進化させたきれいめのセブンティーズが広がっています。柄では「セリーヌ(CELINE)」で出ていたような花柄が支持されそうです。

WWD:実際に店頭でヒットしそうなのはどんなアイテムか。

中島:前述したナチュラルとトラッド(70年代調)の2軸を組み合わせて、モダンにこなすスタイリングが主軸になりそうです。アイテムでは、テーラードジャケットや進化形トレンチコート、サファリ調のディテールが気になっています。フェミニンなスタイルには欠かせないドレスも継続。ボウタイやラッフル、ギャザーなどをポイントにしたブラウスのバリエーションも売れそうです。ジャケットとゆるやかなドレスのコーディネートや、フェミニンなブラウスとサファリ調アイテムの組み合わせなどが広がりそうです。ジャケットは着こなすのが難しいという声もありますが、ワントーンのスタイリングにジャケットを羽織るなどして、バランスを意識して提案するのがカギになります。

WWD:特に注目したブランドは?

中島:若手で良かったのは「ロク(ROKH)」。ブランドのアイコンのトレンチコートにレザーパッチなどを合わせて、エレガントで強いスタイルを提案していました。「マリーン セル(MARINE SERRE)」「キムへキム(KIMHEKIM)」なども含め、ファッションを楽しんでいる感じが強く出ている若手に期待しています。一方で、ベテランの「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は独自路線を突き進んでいて非常にパワフルでしたし、展示会に行くとリアリティーがあって売れそうなアイテムもたくさんありました。ベテランでは「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」なども良かったです。