フォーカス

そろそろインフルエンサーにちゃんと言ってあげましょう エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年6月19日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

そろそろインフルエンサーにちゃんと言ってあげましょう

 現在取材中のメンズ・コレクションでは、各会場にはさまざまな中国人芸能人がやってきます。現段階で一番大きな、女性の“黄色い声援(絶叫w?)”を聞いたのは、「トッズ(TOD’S)」のプレゼン会場。俳優のリウ・ハオラン(Liu Haoran)が来場した時でした。現在21歳の彼は、映画「Detective Chinatown 2」で妻夫木聡と共演したそうなので、知っている方もいるかもしれません。

 彼を含め中国人芸能人の多くは、自前の撮影クルーを従えてファッションウイークに参戦します。芸能人はおろかインフルエンサーでさえ、自前のカメラマンを連れてくることは珍しくありません。それはダサいこと?それとも賢い戦略?解釈はさまざまでしょうが、それにより存在感が増しているのは事実。一方日本の芸能人&インフルエンサーは、露出はメディア頼みだし、そのメディアは(自分も時々) “乗り気”でないことが多いので、セレブ戦略は不発に終わることもしばしば。インフルエンサー戦略も同様です。ハッキリ言えば、誰かを起用した「だけ」でモノが飛ぶように売れた、なんて話は幻想です(もちろん工夫次第ではブランド認知を高めたり、その存在を「認知」から「興味」というステージに引き上げたり、コスメを中心に手頃な商材はいくらか売れたりの結果を得ることは可能だし、それについては戦略的な考え方が存在します)。

 この効果を上げるには、どうしたらいいのでしょうか?正しいKPIの設定や、戦略的な企画立案、中でも “インフルエンサーを健全な形で束ねている企業”とのお付き合いが大事ですが、一方でそろそろインフルエンサーに直接語りかけるのはいかがでしょうか?中国人インフルエンサーのようにセルフプロデュース術を磨くのも一手、“憧れ”から“参考”のツールに変容したインスタグラムの世界で生きるなら発信力を身につけるのも一手、彼女たちに「アナタはこれから、どんな形でファッション&ビューティの世界に貢献してくれるの?」とメッセージを投げかけましょう。

 ちゃんとしたインフルエンサーは、われわれメディアさえ脱帽するくらい時流を素早く読み取り、立ち居振る舞いを進化させています。一方で努力を怠り、“あぐら”をかいている人たちも大勢います。私たちは、後者になんか仕事をお願いしなくていいんです。それは、一緒に頑張れない相手を取引先に選ばないのと同じこと。言ってダメなら、取引しなくて良いんです。

 芸能人、インフルエンサーとの仕事は、多くの企業人にとって不慣れな企業対個人の関係性の基に成り立っています。だから対等な関係性を築けない企業があまりに多い。それは逆に、芸能人やインフルエンサーを悪い意味で特別視していることでもあります。 企業対企業同様の関係性を築けばいいんです。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。